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5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「セルビア共和国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
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セルビア共和国

セルビア共和国(以下「セルビア」、英語ではRepublic of Serbia)は、バルカン半島中央部に位置する内陸国です。首都はベオグラードです。

このテキストでは、セルビアの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。

1. 国土

セルビア共和国は、コソボを除く地域で約77,474平方キロメートル(2022年国勢調査)の面積を擁します。北にハンガリー、北東にルーマニア、南東にブルガリア、南にコソボと北マケドニア、南西にモンテネグロ、西にボスニアヘルツェゴビナ、北西にクロアチアと国境を接します。


国土の地形は多様性に富んでおり、北部には肥沃な平野が広がり、ドナウ川とサヴァ川の豊かな水系によって潤されています。この地域は穀倉地帯として農業が盛んであり、少量の石油も産出されます。一方、南部は主に山岳地帯と高原で構成され、ディナルアルプス山脈の一部が連なります。最高峰は、コソボ地域に位置するジェラヴィツァ山(標高2,656メートル)です。セルビアの気候は大陸性気候が支配的で、夏は暑く、冬は寒さが厳しい特徴があります。


2. 人口と人種

セルビアの人口は、世界銀行の2024年の推計では約660万人とされています。セルビアは多民族国家であり、その民族構成は多様性に富んでいます。2022年の国勢調査によると、セルビア人が総人口の約80.64%を占め、その他にハンガリー人が約3.5%、ボシュニャク人が約2.31%を占めています。これらの主要な民族グループに加え、ロマ人、クロアチア人、モンテネグロ人、アルバニア人など、37以上の少数民族が存在し、それぞれの文化や伝統を保持しています。


3. 言語

セルビア共和国の公用語はセルビア語です。これは国民の約80%以上が話す言語であり、主にキリル文字が公用文字として用いられますが、ラテン文字も併用されます。多民族国家であるセルビアでは、少数民族が居住する地域において、セルビア語の他に複数の言語が公用語として認められています。例えば、ヴォイヴォディナ自治州などでは、ハンガリー語、スロバキア語、クロアチア語、ルーマニア語、ルシン語、アルバニア語などが公用語として使用され、これらの言語での教育も保障されています。この言語の多様性は、セルビアが持つ文化的な豊かさの一端を物語っています。


4. 主な産業

セルビア経済は、近年着実な成長を遂げています。世界銀行のデータ(2024年)によると、2024年の実質GDP成長率は3.9%と推計されており、建設業とサービス業がその成長を牽引しています。製造業も堅調なパフォーマンスを示しています。

主要な産業分野としては、自動車産業、機械製造、発電、そして穀物、果物、家畜などの農業関連が挙げられます(JETRO、2019年)。特に農業は、2024年に干ばつの影響を受けたものの、依然として重要な基幹産業です。また、ICT(情報通信技術)産業も近年好調で、高いスキルを持つ技術者と語学力が成長を支えています。2023年のデータ(UN SDG 6 Data)によると、GDPに占める各産業の割合は、農業が約4%、工業が約24%、サービス業が約58%となっており、サービス業が経済の最大の柱であることがわかります。2024年の失業率は平均8.6%でした。


5. 主な観光地

セルビアは、その豊かな歴史的遺産と美しい自然景観で観光客を魅了します。
首都ベオグラードには、ドナウ川とサヴァ川の合流地点にそびえ立つ「カレメグダン公園とベオグラード要塞」があります。ここは、オスマン帝国時代からの歴史を刻む要衝であり、現在は市民の憩いの場として親しまれています。要塞からは両河川の壮大な眺めを楽しむことができ、特に夕暮れ時は息をのむ美しさです。

また、ベオグラードのシンボルである「聖サヴァ教会」は、その巨大なドームと豪華なモザイク装飾が特徴で、セルビア正教の精神性を感じさせる場所です。

「クネズ・ミハイロバ通り」は、カフェやショップが立ち並ぶベオグラードの中心的な遊歩道です。


ベオグラード以外にも、多くの魅力的な観光地があります。
ノヴィ・サドには、ドナウ川を望む「ペトロヴァラディン要塞」があり、ヨーロッパ最大級の音楽フェスティバル「EXIT」の会場としても知られています。セルビア中部には、ユネスコ世界遺産にも登録されている「ストゥデニツァ修道院」や「ソポチャニ修道院」など、中世セルビア正教のフレスコ画が残る歴史的な修道院群が点在しています。

これらはセルビアの精神文化の中心であり、貴重な芸術的価値を持っています。


6. 文化

セルビアの文化は、スラヴ民族の伝統と東方正教会の影響を強く受けています。その中でも特にセルビア独自の文化として特筆すべきは、「スラヴァ(Slava)」と呼ばれる守護聖人の日を祝う家族の祭典です。これはセルビア正教会特有の習慣であり、2014年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。スラヴァは、各家庭の守護聖人を称える日で、親族や友人が集まり、宗教的な儀式とご馳走を囲んで絆を深めます。

宗教はセルビア人の生活に深く根付いており、国民の約85%がセルビア正教徒です。セルビア正教会の聖堂には、キリストの立像ではなく「イコン(聖人などを描いた絵画やフレスコ)」が飾られています。

また、セルビア人は非常に陽気でおおらかな性格で、客人を温かくもてなす「セルビア流ホスピタリティ」でも知られています。家庭を訪れると、自家製のお酒「ラキヤ」や、砂糖で煮詰めた果物のシロップ漬け「スラトゥコ」などが振る舞われます。


7. スポーツ

スポーツはセルビア人の生活に欠かせない要素であり、数多くのスポーツが国民に愛されています。中でも特に人気が高いのは、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、水球、そしてテニスです。これらのスポーツでは、セルビアは国際大会で輝かしい成績を収めており、多くの国民的スポーツヒーローを輩出してきました。特にテニスでは、世界的に有名なノヴァク・ジョコビッチを擁し、国際舞台でセルビアの存在感を示しています。


8. 日本との関係

日本とセルビア共和国の関係は、長年にわたり友好な絆で結ばれています。両国間の友好関係は、1882年に明治天皇とセルビア初代君主ミラン・オブレノビッチ王の間で書簡が交換されたことに遡ります。

経済協力

経済面では、貿易と経済協力が活発に行われています。2023年の財務省貿易統計によると、日本からセルビアへの輸出は約69.3億円で、主にゴム製品、医薬品、織物用糸などが輸出されています。一方、日本はセルビアから約535.2億円を輸入しており、たばこ、衣類、果物、野菜などが主な輸入品目です。また、日本企業によるセルビアへの直接投資も行われています。

経済協力においては、日本はセルビアの主要な援助国の一つです。2022年度までの累計で、日本は約581.17億円の二国間援助を実施しており、円借款、無償資金協力、技術協力といった形でセルビアの発展を支援しています。2021年には、日本はドイツ、フランスに次ぐ3番目の主要援助国でした。

文化交流

文化交流も盛んで、日本は文化無償資金協力を通じて、セルビアの文化・芸術団体に対し、楽器や視聴覚機材などを供与しています。また、草の根文化無償資金協力により、セルビアの世界遺産の修復・保全や、日本語教育施設の整備も支援されており、両国間の文化的な相互理解を深める努力が続けられています。総務省もAI分野における国際協力でセルビアとの連携を強化しています。

これらの特徴は、セルビア共和国が単なる地理的な存在ではなく、その歴史、文化、そして未来への可能性に満ちた魅力的な国であることを示しています。
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総務省
CIA World Factbook
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世界銀行 (World Bank)
外務省

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