自衛隊の成り立ち
そもそもなぜ自衛隊ができたのかから説明しましょう。
太平洋戦争のあとに制定された日本国憲法に
平和主義を規定したことで、日本は自ら軍隊を放棄することを決めました。何かあったときはアメリカが守ってくれる、そういう約束をアメリカとも取り付けました。
ちなみに日本国憲法の第9条に以下のことが記されています。
1:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
これが
平和主義と呼ばれるもので、ざっくり言うと、「
戦争は2度としないし、戦争をしないのだから軍隊も持たないよー」というものです。
しかし1950年に
朝鮮戦争が始まったことでいろいろとややこしくなります。
日本に駐留していたアメリカ軍は、朝鮮半島へと出兵していったところ、日本で待機している軍隊が足りなくなってしまったのです。
そこでアメリカは、
アメリカ軍が日本を空けている間に、自分たちのことは自分たちで守れという名目で、
警察予備隊を結成させます。国を守るための治安維持隊なので、軍隊ではないというのが当時の解釈です(吉田茂元首相)。これが自衛隊の前身で、1952年に自衛隊と名前を改めました。
自衛隊は何をしているのか
あくまでも日本を守るために結成された自衛隊。ましてや憲法で戦力を持たない、戦争をしないと明記していますので、自衛隊は戦争をするために訓練をしているわけではありません。では実際にどのような活動をしているのでしょうか?
被災地支援
2011年3月11日に東日本大震災が起こったことはみなさんの記憶にも新しいと思います。そのとき、被災地・被災者の支援活動を行なっていたのが自衛隊です。大災害が起きたときに、まっさきに活躍してくれるのですね。
PKFとしての活動
国際連合にはPKF(平和維持軍)という軍隊があります。悪いことをした国に制裁を加えたり、戦争によって荒れてしまった土地の支援活動を行うために結成された軍隊です。
自衛隊もPKFの一員として活動しています。
もちろん「戦争はしない!」と日本国憲法に定められているので、戦うことはありません。あくまでも後方支援が主な活動内容です。
2001年のアメリカ同時多発テロによって起こったアフガニスタンでの戦争では、
アメリカ軍の給油活動を手伝うという行為が、戦争に加担をすることにならないのかということが問題になりました。