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18_80 イスラーム世界の形成と拡大 / イスラーム帝国の成立

六信五行とは わかりやすい世界史用語1292

著者名: ピアソラ
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六信五行とは

イスラーム教は、信仰と実践が融合した宗教であり、その核心には「六信」と「五行」という重要な概念があります。これらはイスラームの信者が持つべき基本的な信念と、日常生活における実践を示しています。

六信(アクイーダ)

六信は、イスラーム教徒が信じるべき六つの基本的な信念を指します。

アッラー(神)への信仰

イスラームの教えの中心は、唯一の神アッラーへの信仰です。アッラーは全知全能であり、創造主であり、すべての存在を支配しています。

天使への信仰

イスラームでは、天使は神によって創造された存在であり、人間の行動を記録したり、神の命令を実行したりします。代表的な天使には、ガブリエル(ジブリール)がいます。

敬典(聖典)への信仰

イスラーム教徒は、神から啓示された敬典(聖典)を信じる必要があります。最も重要な敬典(聖典)は『コーラン(クルアーン)』であり、他にも『タウラート』(モーセの書)、『ザブール』(ダビデの書)、『インジール』(イエスの書)があります。

預言者たちへの信仰

イスラームでは、多くの預言者が神のメッセージを人々に伝えました。最後の預言者はムハンマドで、彼は神の意志を最終的に伝える役割を果たしました。

来世への信仰

イスラーム教徒は、死後に復活し、善悪に応じて報いを受けることを信じています。この来世における裁きは、個々の行動によって決まります。

神の予定(定命)の信仰

すべての出来事は神によって定められているという運命論的な考え方も重要です。人間には自由意志が与えられていますが、その選択も神の計画の一部です。



五行(イバーダ)

五行は、イスラーム教徒が日常生活で実践すべき五つの宗教的義務を示します。

シャハーダ(信仰告白)

「アッラーの他に神はなく、ムハンマドはその使徒である」という告白がシャハーダです。この言葉を心から唱えることがイスラームへの入信を意味します。

サラート(礼拝)

一日に五回行う礼拝がサラートです。これは神との直接的なコミュニケーションであり、特定の時間に行われます。礼拝には身体的な動作と特定の詩句が含まれます。

ザカート(喜捨)

財産の一部を貧しい人々や困っている人々に分け与えることがザカートです。これは社会的責任として位置づけられ、経済的不平等を軽減するために重要です。

サウム(断食)

ラマダン月には日の出から日没まで食事や飲み物を断つことが求められます。この断食は自己制御や感謝の気持ちを育むために行われます。

ハッジ(巡礼)

可能な限り一生に一度メッカへの巡礼を行うことがハッジです。この巡礼はイスラーム教徒にとって非常に重要な義務であり、多くの人々が毎年参加します。

六信と五行の関係

六信と五行は互いに補完し合う関係にあります。六信はイスラーム教徒として何を信じるべきかを示し、一方で五行はその信仰をどのように実践するかを具体的に示しています。つまり、正しい信仰を持つことだけでなく、その信仰に基づいた行動も求められるということです。

イスラーム教徒として生きるためには、六信と五行を理解し、それぞれを実践することが不可欠です。これらの教えは個人にとどまらず、コミュニティ全体に影響を与え、社会的な調和や倫理観を育む基盤となります。イスラーム教徒としての生活は、これらの原則に根ざしているのです。
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・六信五行とは わかりやすい世界史用語1292

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『世界史B 用語集』 山川出版社

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