モルディブ共和国
モルディブ共和国(英語ではRepublic of Maldives)は、南アジアのインド洋上に位置する島国です。
このテキストでは、モルディブ共和国の特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。
1.国土
モルディブはインド洋に位置する島国で、赤道直下に広がる美しい環礁で知られています。国土は26の環礁と1,192の島々で構成され、地球上でもっとも平坦な国と言われています。海抜平均は約1.5メートルで、モルディブは地球上で最も海抜が低い国(2024年現在)、そして地球温暖化による海面上昇の影響を最も受けやすい国の一つとされています。国土面積は約298平方キロメートルで、日本の東京23区よりも小さい規模です。首都はマレです。
2.人口と人種
2024年時点で推計によると、モルディブの人口は約56万人です。住民の大半はインド洋沿岸地域の民族的背景を持つディベヒ族で、イスラム教(スンニ派)が国教として広く信仰されています。また、若年層が多く、また、若年層の割合が高く、総人口の約30%が14歳以下、平均年齢は約30歳とされています。
3.言語
公用語はディベヒ語で、モルディブ独自の文字である「ターナ文字」を使用します。この文字はアラビア文字、ラテン文字、南アジアの文字の影響を受けた独特の体系を持っています。また、英語は観光業や教育、政府機関で広く使われており、多言語対応が進んでいます。
4.主な産業
ルディブ経済の中心は観光業で、GDPの3分の1以上を占め、国家の重要な収入源となっています。モルディブは、世界的に有名な高級リゾート地があり、毎年多くの観光客が訪れます。2024年には新たなエコツーリズム政策が導入され、環境保護と経済成長を両立させる取り組みが進んでいます。
漁業ではツナが主力商品で、ヨーロッパやアジア市場への輸出が盛んです。
5.主な観光地
モルディブの最大の魅力は、その美しい自然そのものと言えます。特にバア環礁は、ユネスコの生物圏保護区に指定され、豊かな海洋生物とサンゴ礁が観察できます。南アリ環礁はジンベエザメの観察地として有名で、年間を通じてダイバーを魅了します。
また、首都マレではモルディブ・イスラムセンターや魚市場、国立博物館が見どころです。さらに、2024年には新たなリゾート開発が進められ、観光客への選択肢が増えています。
6.文化
モルディブ文化は多様性に富んでおり、インド、スリランカ、アラブ世界の影響を受けつつ、独自の伝統を守っています。食文化では、新鮮な魚介類やココナッツを使った料理が特徴です。特に「マスフニ」というツナとココナッツのサラダが人気です。
音楽や舞踊では、「ボディベル」と呼ばれる伝統的な太鼓を使用した演奏が代表的です。祭りや祝祭の際には、地域全体で踊りと音楽を楽しむ光景が見られます。
7.スポーツ
モルディブで最も人気のあるスポーツはサッカーで、国内リーグが盛んに行われています。さらに、モルディブは水上スポーツの聖地とも言われ、サーフィンやカイトサーフィン、ダイビングが特に人気です。2024年には国際サーフィン大会が開催され、世界中のアスリートが集まりました。また、若者を対象とした水上スポーツトレーニングプログラムも進められています。
8.日本との関係
■経済協力
モルディブと日本の経済協力には、主に防災、気候変動対策、観光業支援、漁業発展が含まれています。これらの分野は、モルディブの特異な地理的条件や気候変動の脅威、経済の観光依存度を考慮し、日本が長期的な持続可能性を支援する形で進められています。
■防災と気候変動対策
モルディブは、海面上昇や台風による自然災害リスクが非常に高い小島嶼国です。このため、日本は「気候変動に強靭で安全な島づくりプロジェクト」を通じて、防災対策や環境保全を支援しています。このプロジェクトでは、海岸侵食対策、再生可能エネルギーの導入、海洋ごみ管理の改善などが実施されており、特に沿岸部の保全や災害リスク軽減に重点が置かれています。
■観光業と漁業の多角化支援
モルディブの経済は観光業への依存が非常に高く、外的要因に弱い特徴があります。これを補完するため、日本は観光業の持続可能性向上や漁業の発展を支援しています。たとえば、地方の住民島での観光業や漁業の振興を通じ、雇用の創出や地方経済の活性化を図っています。また、日本の中小企業製品を活用した無償資金協力は、モルディブの社会サービスの向上と日本企業の海外展開の促進の両方に寄与しています。
■その他の経済協力
日本政府は、モルディブへの資金供与を通じ、教育・医療分野の発展も支援しています。これらは貧困削減や社会的安定に寄与する重要な取り組みです。また、モルディブ国内の交通インフラや海上保安対策の改善も、日本の協力の一環として進められています。