はじめに
大航海時代の幕開けと共に、ヨーロッパ各国は次々と世界の市場を求めて活動するのですが、交易とともに盛んに行われたのが、キリスト教
宣教師たちによる海外での布教活動でした。
この布教活動は、どのように展開していったのかを見ていきましょう。
中国との交易拡大とヨーロッパの状況
ヨーロッパ諸国の中で、中国との関係を初めて築いたのが
ポルトガルでした。
1557年には、中国における交易の拠点として、
マカオの居住権が与えられ、急速に貿易量が拡大します。
これ以降、マカオは長期にわたってポルトガルの管理下に置かれるようになります。中国に返還されたのは、1999年になってからです。
このポルトガルの居住権獲得以降、ヨーロッパ各国は競うように中国との交易を始めるのですが、その時期、ヨーロッパ社会は変革期を迎えていました。
当時、
ルターや
カルヴァンの指導のもと、ヨーロッパは
宗教改革のまっただ中にありました。
このプロテスタントの誕生をめぐる運動によって、旧教
カトリックの権威は失墜します。
この状況を打破するために、カトリック側が行った活動を
反宗教改革というのですが、この運動を押しすすめるために結成された
イエズス会という教団がありました。
イエズス会は、軍隊的規律を持った宣教師の集まりで、彼らの主な任務の一つが
海外布教だったのです。