新規登録 ログイン

18_80 アジア諸地域世界の繁栄と成熟 / 東アジア・東南アジア世界の動向(明朝と諸地域)

朱元璋を支え賢夫人と呼ばれた馬氏はどんな人物か

著者名: Satow
Text_level_1
マイリストに追加
朱元璋の妻を馬氏といいます。馬氏はよく気が利くし、朱元璋にもよく仕える妻でした。馬氏は幼い頃に父母を失い、亡父の親友であった郭子興に引き取られて養女になりました。

馬氏は、朱元璋が郭子興のもとにいれば陰になり日向になって夫を助けました。夫が戦場に出れば、部下の軍衣のほころびや軍靴のやぶれをつくろい、あるいは乏しい財布からお金を全部出して将士をねぎらいました。朱元璋には冷酷な指導者の一面がありましたが、馬氏は時に朱元璋に、部下を冷たくあしらわないよう優しく注意したりしました。

よく気の利く婦人でもありました。ある時天子となった朱元璋が、太学(たいがく、官吏養成のための大学)に何かの用事で顔を出して帰ってくると、馬皇后は学生の数を尋ね、その妻子家族にも手当てを支給するように申し出ました。この時はまだ建国したばかりで、これから明を支える官吏になる学生たちだけでなく、その家族も優遇すべきだとわかっていたのです。

馬皇后はもともとは貧しい身分だったので、威張ることもなく、慎ましい態度を常に持っていました。朱元璋が即位して太祖になった後も、その食事は召し使いにはつくらせずに自ら準備しました。

朱元璋も常に馬皇后には感謝をしていたようで、馬皇后が51歳で亡くなると、ふだんは物事に動じない朱元璋も深く泣き悲しみ、その後は再婚することもなかったのでした。
Related_title
もっと見る 

Keyword_title
,

Reference_title
世界の歴史9 最後の東洋的社会

この科目でよく読まれている関連書籍

このテキストを評価してください。

※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。

 

テキストの詳細
 閲覧数 8,549 pt 
 役に立った数 8 pt 
 う〜ん数 0 pt 
 マイリスト数 0 pt 

知りたいことを検索!

まとめ
このテキストのまとめは存在しません。