「たのし/楽し」の意味・活用・使用例【形容詞シク活用】
このテキストでは、シク活用の形容詞「
たのし/楽し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容詞・シク活用
未然形 | たのしく | たのしから |
連用形 | たのしく | たのしかり |
終止形 | たのし | ◯ |
連体形 | たのしき | たのしかる |
已然形 | たのしけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | たのしかれ |
■意味1
(精神的に満ち足りて)
愉快だ、楽しい。
[出典]:
梅花の宴より 万葉集
「「正月立ち春の来たらばかくしこそ梅を招きつつ
楽しき終へめ」
[訳]:正月になり春がやってきたならば、毎年このように梅を招き寄せては
楽しみの限りを尽くそうではないですか
■意味2
(物理的に満ち足りて)
裕福だ、何不自由ない。
[出典]:
留志長者のこと 宇治拾遺物語
「今は昔、天竺に、留志長者とて、世に
たのしき長者ありけり。」
[訳]:今となっては昔のことですが、天竺に、留志長者といって、非常に
裕福な長者がいました。