ことわり/理/断り
このテキストでは、古文単語「
ことわり/理/断り」の意味、解説とその使用例を記している。
名詞
■意味1
物事の道理、物事の道筋。
[出典]:
蓬莱の玉の枝 竹取物語
「翁、
ことわりに思ふ。」
[訳]:(竹取の)翁は、(車持皇子の言うことが)
道理だと思う。
■意味2
理由、わけ、説明。
[出典]:箒木 源氏物語
「中将は、このことわり聞き果てむと、心入れてあへしらひゐたまへり。」
[訳]:中将は、この理由を終わりまで全部聞こうと、熱心に受け答えしていらっしゃいました。
■意味3
判断、判定、裁定。
[出典]:須磨 源氏物語
「よろづのことを泣く泣く申したまひても、その断りをあらはにえ承りたまはねば...」
[訳]:すべてのことを泣く泣く申し上げなさっても、(院はこの世にいないので)その判断をはっきりとお聞きすることはできないので...
■意味4
謝罪、おわび、言い訳、申し開き。
[出典]:好色五人女 井原西鶴
「このことのことはり立ちかね、哀れや...」
[訳]:このことの申し開きができなくなって、かわいそうなことであるが...
■意味5
辞退、拒否、拒絶。
[出典]:空腕 狂言
「重ねてことわりも申されぬ。」
[訳]:二度も辞退(の言葉を)申し上げられない。
備考
関連した言葉に、形容動詞「
ことわりなり」がある。