ふせく/防く
このテキストでは、カ行四段活用の動詞「
ふせく/防く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※中世以降は「ふせぐ」と読む。
カ行四段活用
未然形 | ふせか |
連用形 | ふせき |
終止形 | ふせく |
連体形 | ふせく |
已然形 | ふせけ |
命令形 | ふせけ |
■意味1:他動詞
遮る、防御する、防ぐ。
[出典]:
猫また 徒然草
「小川の端にて、音に聞きし猫また、あやまたず、足許へふと寄り来て、やがてかきつくままに、頸のほどを食はんとす。肝心も失せて、
防かんとするに力もなく...」
[訳]:小川のほとりでうわさに聞いた猫またが、ねらいどおりに、(僧の)足元にさっと寄ってきて、すぐさま飛びつくやいなや、首のあたりに食いつこうとします。(僧は)正気も失って、
防ごうとするも力も出ず...
■意味2:他動詞
さえぎる。
[出典]:蓬生 源氏物語
「朝日夕日をふせぐ蓬、葎の陰に...」
[訳]:朝日や夕日をさえぎる蓬やつる草の陰に...
備考
※中世以降は「ふせぐ」と読む。その場合の活用は以下の通り。
未然形 | ふせが |
連用形 | ふせぎ |
終止形 | ふせぐ |
連体形 | ふせぐ |
已然形 | ふせげ |
命令形 | ふせげ |