たまのを/玉の緒
このテキストでは、古文単語「
たまのを/玉の緒」の意味、解説とその使用例を記している。
名詞
■意味1
玉を貫くひも。
[出典]:宿木 源氏物語
「露をつらぬきとむる玉の緒、はかなげにうちなびきたるなど...」
[訳]:露を貫き止めるひもが、弱々しくなびいているのなど...
■意味2
短いことの例え、少しの間、しばらく。
[出典]:古今和歌集
「死ぬる命生きもやすると試みに玉の緒ばかり逢はむと言はなむ」
[訳]:(恋焦がれて)死ぬ命が生き延びるかもと、試しに少しの間だけ逢おうと言ってみてください。
■意味3
命、生命。
※魂と肉体をつなぎとめておくひもの意から。
[出典]:
新古今和歌集・小倉百人一首
「
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする」
[訳]:(私の)
命よ、絶えるのならば絶えてしまえ。このまま長く生きていれば、耐え忍ぶ力が弱って(心に秘めた恋がばれて)しまいそうだから。