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古文単語「きこしめす/聞こし召す」の意味・解説【サ行四段活用】

著者名: 走るメロス
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きこしめす/聞こし召す

このテキストでは、サ行四段活用の動詞「きこしめす/聞こし召す」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

サ行四段活用

未然形きこしめさ
連用形きこしめし
終止形きこしめす
連体形きこしめす
已然形きこしめせ
命令形きこしめせ


意味1:他動詞

(「聞く」の尊敬語で)
お聞きになる

[出典]:上にさぶらふ御猫は 枕草子
「笑ひののしるを、上にも聞こし召して渡りおはしましたり。」

[訳]:笑い大騒ぎするのを、帝もお聞きになって(こちらに)おいでになりました。


意味2:他動詞

(「聞き入る」の尊敬語で)
お聞き入れになる

[出典]:行幸 源氏物語
「ここに切に申さむことは、聞こし召さぬやうあらざらまし。」

[訳]:こちらが一途にお願い申しあげたとしたらそのことは、(帝が)お聞き入れにならないことはないであろうに。




意味3:他動詞

(「食ふ・飲む」の尊敬語で)
召し上がる

[出典]かぐや姫の昇天 竹取物語
「きたなき所のもの聞こし召したれば、御心地悪しからむものぞ。」

[訳]:けがれた所のものを召し上がったので、ご気分がすぐれないでしょう。


意味4:他動詞

(「治む・行ふ」の尊敬語で)
お治めになる、統治なさる

※この用法は、主に上代の作品にみられる。
[出典]:万葉集
「桜花今盛りなり難波の海押しる宮に聞こし召すなへ」

[訳]:桜の花は今真っ盛りである。(私の主君が)難波の海の照り輝く宮で(世の中を)お治めになるその時に

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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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