はじめに
二・二六事件とは、
1936年2月26日に起こった、青年将校によるクーデター事件です。
当時の岡田首相を含む政治家数名を殺傷しましたが、結局未遂に終わりました。
背景
ロンドン軍縮会議に不満を募らす、満州事変を勝手に引き起こすなど、政治と軍部との確執が大きくなっていました。そんな中で、軍の青年将校たちの間には、「
天皇をそそのかして政治を悪い方向へと導こうとする輩を討伐しなければならない」という雰囲気が漂い始めます。この考えのことを「
尊皇討奸」(そんのうとうかん)といい、彼らのスローガンでした。そしてその火蓋が切られたのが、2月26日だったのです。
犠牲者
岡田啓介(首相)、
斎藤実(内大臣)、渡辺錠太郎、
高橋是清(大蔵大臣)、鈴木貫太郎が襲われ、無事にすんだのは岡田首相と後の首相、鈴木貫太郎だけでした。
翌日
事件を知った天皇は、「
信頼を寄せる側近を殺害するとは何事か」と憤りを示し、反乱軍に投降を呼びかけました。天皇の考えは軍部ではなく政治の方を向いていたと知った彼らは落胆し、武装を解いて投降し事件は終結します。
この事件で、武力だけでは政治をうまく動かせないと学んだ軍部では、合法的に政治をうまく操ろうとする
統制派が台頭していくことになります。