「あてなり」の意味・活用・使用例【形容動詞ナリ活用】
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「
あてなり」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
形容動詞・ナリ活用
未然形 | あてなら | ◯ |
連用形 | あてなり | あてに |
終止形 | あてなり | ◯ |
連体形 | あてなる | ◯ |
已然形 | あてなれ | ◯ |
命令形 | (あてなれ) | ◯ |
■意味1
身分が高い、高貴である、家柄がよい。
[出典]:
かぐや姫の成長 竹取物語
「世界の男、
あてなるもいやしきも、いかでこのかぐや姫を、得てしがな、見てしがなと...」
[訳]:世の中の男たちは、
身分が上の者も下の者も、どうにかしてかぐや姫を手に入れたい、結婚したいと...
■意味2
上品である、気品がある。
[出典]:
若紫・北山の垣間見 源氏物語
「四十余ばかりにて、いと白う
あてにやせたれど、面つきふくらかに...」
[訳]:四十歳過ぎぐらいで、とても(色が)白く
上品でやせていますが、顔つきはふっくらとしていて...
■備考
同じ「高貴である/家柄がよい」を意味する「
やむごとなし」との違いは、「やむごとなし」は最上級の高貴さ/家柄の高さを表すのに対して、「あてなり」が一般的な高貴さ/家柄の高さを表す。例えば源氏物語では、光源氏に対して「やむごとなし」は用いるが、「あてなり」は用いない。