可愛らしさを表す単語
古典には、女性の美しさや幼い子供の可愛らしさを表す単語がいくつも登場します。
「かわいい」、「美しい」、「きれい」など、現代語にもありますよね。
現代語と同じように、古典文学においてもそれぞれ微妙に意味が違っています。
あいぎゃう
魅力的だ
人の心をひきつける魅力を持っているなどのニュアンスを持ちます。
容姿や性格、言葉遣いなど、何にでも使える便利な言葉です。
うつくし
かわいらしい、かわいい
現代語の美しいとは違って、
小さいものや幼いものをかわいいと表現するときに使います。
いとほし
いとほしには2つの意味があります。まず
気の毒だです。
全く可愛らしさを表す単語でありますが、これがなぜか
かわいいという意味を持つようになりました。
かなし
今は「悲し」と書くこの言葉ですが、昔は
愛しと書き
愛らしい、かわいいという意味で使われていました。ちなみに古文での悲しみを表す言葉は
あはれ、
つらしなどを使います。
らうたし
か弱く無力なので、
心が痛いほど愛情を感じるといったかわいさを表す言葉です。
枕草子の一説に、このらうたしをうまく使った文章があります。
原文:
ちごのかいつきて寝たる、いとらうたし。
訳文:
子供がすがりついて寝てしまったのは、とてもかわいい。
無力で無垢な子供が幼くかわいいといったニュアンスで使われていますね。
まとめ
このように、かわいい、美しいを表すだけでもいくつもの単語があります。
そして、「かなし」のように現代語とはまったく違った意味で使われているものもあります。
残念ながら近道はありません。きっちりと覚えること、これが最善の道でしょう。