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枕草子 原文全集「大路近なる所にて聞けば」

著者名: 古典愛好家
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大路近なる所にて聞けば

大路近なる所にて聞けば、車にのりたる人の、有明のをかしきに、簾(すだれ)あげて、

「遊子(いうし)、なほ残りの月に行く」


といふ詩を、声よくて誦(ず)したるもをかし。

 
馬にても、さやうの人の行くはをかし。さやうの所にて聞くに、泥障(あふり)の音の聞ゆるを、いかなるものならむと、するわざもうちおきてみるに、あやしのものを見つけたる、いとねたし。
                 
                
                 
                
                 
    
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・枕草子 原文全集「大路近なる所にて聞けば」

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松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 下」 新潮社

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