"すべての"と"ある"の否定
すべての実数xについて、x²>0 ー①
ある実数yについて、y²≦0 ー②
この2つの命題を否定してみましょう。
ここでポイントとなるのは、
"すべての"と"ある"の否定のしかたです。次の2つのことを覚えましょう。理屈よりも覚えてしまった方が早いかもしれません。
命題「
すべての実数xについて、pである」の否定は、「
ある実数xについて

」
命題「
ある実数yについて、qである」の否定は、「
すべての実数yについて

」
"すべて"を否定すると"ある"に、"ある"を否定すると"すべて"になります。
■命題①の否定
命題①「
すべての実数xについて、x²>0」を否定しましょう。
まず、"すべての"を"ある"に変更します。
「
ある実数xについて○○○○○○○○○」
次に○に入る部分を考えます。つまり「x²>0」を否定するということですね。
"x²>0"の否定は、"x²≦0"です。(
x²<0ではありませんからね。)
このことから、「ある実数xについてx²≦0」が、命題①の否定となります。
■命題②の否定
命題②「ある実数yについて、y²≦0」を否定しましょう。
まず、"ある"を"すべての"に変更します。
「
すべての実数yについて○○○○○○○○○」
次に、○に入る部分を考えます。つまり「y²≦0」を否定するということですね。
"y²≦0"の否定は、"y²>0"です。(
y²≧0ではありませんからね。)
このことから、「すべての実数yについて、y²>0」が命題②の否定となります。
ちなみに、命題①は偽で、命題②は真です。