対称式・基本対称式とは
文字を入れ替えても全く同じ式になる式のことを
対称式といいます。どういうことかというと、例えば"x+y"のxとyを入れ替えると"y+x"になりますが、これは"x+y"の表すものと同じですね。
入れ替える前 | - | 入れ替えたあと |
x²+y² | → | y²+x² |
x+y | → | y+x |
xy | → | yx |
上に挙げた3つの式は、すべて対称式です。文字がxとyでなくてもかまいません。対称式は世の中にたくさんありますが、数ある対称式の中でも、"x+y"と"xy"のことを、
基本対称式と言います。なぜかというと、
すべての対称式の基になる式だからです。
対称式の性質
基本対称式はすべての対称式の基になると書きましたが、対称式には次のような性質があります。
すべての対称式は必ず、基本対称式の組み合わせで表すことができる
試しに、対称式"x²+y²"が、基本対称式で表せるか証明してみましょう。
(x+y)²=x²+2xy+y²より
x²+y²=(x+y)²-2xy
となり、"x+y"と"xy"の基本対称式で表すことができますね。
では"x³+y³"はどうでしょう。
(x+y)³=x³+3x²y+3xy²+y³より
x³+y³
=(x+y)³-(3x²y+3xy²)
=(x+y)³-3xy(x+y)
となり、これも"x+y"と"xy"の基本対称式で表すことができますね。
交代式とは
"x²+y²"は対称式でしたが、"x²-y²"はどうでしょう。
xとyを入れ替えると"y²-x²"となりますが、"x²-y²"とは同じ式ではありませんね。
-(x²+y²)=y²-x²
このように、もとの式の記号を入れ替えると、元の式に-1をかけた式となる式のことを
交代式といいます。