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18_80 西アジア・地中海世界の形成 / ヘレニズム世界

アレクサンドロス大王とヘレニズム時代(東方遠征、ヘレニズム文化など) 受験対策問題 10

著者名: レキシントン
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古代ギリシアの文化で押さえておきたいポイント

※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。

マケドニアの隆盛とフィリッポス2世

・ギリシア北方に、ドーリア系と考えられているギリシア人たちがマケドニア王国を建てた。マケドニアはギリシア全体が衰退した時期に頭角をあらわした。

・紀元前338年、マケドニア王フィリッポス2世(在位紀元前359〜紀元前336)がアテネ・テーベの連合軍をカイロネイアの戦いで破り、全ギリシアを手中におさめた。

・紀元前337年には、スパルタを除くギリシアの全ポリスとコリントス(ヘラス)同盟を結んだ。マケドニアはこの同盟を利用し、ギリシア世界を支配した。

アレクサンドロス大王と東方遠征

アレクサンドロス大王(在位紀元前336〜紀元前323)は、フィリッポス2世の息子で、幼いころにアリストテレスに師事した。その後父王の暗殺により、20歳でマケドニア王となる。

・紀元前334年から紀元前324年にかけて、アレクサンドロス大王はギリシア連合軍を率いて東方遠征を行った。

・紀元前333年には、地中海東岸でイッソスの戦いが起こり、アケメネス朝ペルシアダレイオス3世に勝利する。

・紀元前331年には、アルベラ(ガウガメラ)の戦いが起こり、ダレイオス3世は敗走後に暗殺され、アケメネス朝ペルシアは滅亡した。

・アケメネス朝滅亡後も東方遠征は続き、アレクサンドロス大王はギリシア・エジプトからインダス川西岸までの広大な地域を大帝国とした。彼は、自らの名前を冠したアレクサンドリアという街を各地に建設し、ギリシア文化が西アジアの文化と融合していった。

・紀元前334年の東方遠征から、紀元前30年のプトレマイオス朝エジプト滅亡までの時代をヘレニズム時代という。ヘレニズムはドイツの歴史家ドロイゼンの造語。

・アレクサンドロス大王は、アラビア遠征の途上で急死し、その後、後継者の「ディアドコイ」という武将たちが争った。紀元前301年にはイプソスの戦いが起こり帝国の分裂が始まり、最終的にプトレマイオス朝エジプト、セレウコス朝シリア、アンティゴノス朝マケドニアにわかれた。

エジプト

・プトレマイオス朝エジプト(紀元前304〜紀元前30)は、武将プトレマイオスが建国したギリシア系の王朝で、アレクサンドリアを都とし、ヘレニズム世界の中心となった。最終的に紀元前30年のアクティウムの海戦オクタヴィアヌス率いるローマに破れたクレオパトラが自殺し、滅亡した。

シリア

・セレウコス朝シリア(紀元前312〜紀元前63)は、武将セレウコスによって建国されたシリアの王国で、当初西アジアの大部分を支配した。紀元前300年ころ、都がセレウキアからアンティオキアに遷都された。紀元前3世紀に、領土内からパルティアバクトリアが独立したため衰退し、最終的に紀元前63年にローマに滅ぼされた。

・パルティア(紀元前248〜紀元後226)はイラン系の住民がカスピ海東南の地域におこした国で、セレウコス朝から独立した。建国者はアルサケス。紀元前2世紀以降に強大となり、セレウコス朝滅亡後にメソポタミアをめぐりローマと争った。中国のと同時期で、「絹の道」をつないだ。最終的にササン朝ペルシアに滅ぼされる。

・バクトリア(紀元前255頃〜紀元前139)は、セレウコス朝支配下のギリシア系住民が独立した国家。バクトリアのギリシア文化は西北インドに伝わり、クシャーナ朝時代にガンダーラ美術が生まれるきっかけをつくった。最終的にスキタイ系トハラ人に滅ぼされる。
ガンダーラ美術はその後大乗仏教とともに中国や日本にも伝わった。


マケドニア

・アンティゴノス朝マケドニア(紀元前306〜紀元前168)は、武将アンティゴノスが建国した王国。ギリシア地域を支配下に置いた。最終的にローマに滅ぼされる。

ヘレニズム文化

・ヘレニズムは「ギリシア風」の意味。ヘレニズム文化は、世界市民主義(コスモポリタニズム)個人主義という性格を持つ。

世界市民主義(コスモポリタニズム)は、ギリシアのポリス社会が衰退した結果、従来のポリス中心主義から、世界の人々を自分の同胞ととらえる思想としておこった。また、同時に、個人の幸福追求を求める個人主義も重要な思想であった。

・ヘレニズム世界では共通語としてアッティカ方言をもとにしたコイネーという共通語が使われ、プトレマイオス朝エジプトのアレクサンドリアにつくられたムセイオンという研究機関を中心に数学・物理学・天文学などの自然科学が発達し、のちにイスラム科学に受け継がれた。

ヘレニズム時代の科学者

・エウクレイデス(ユークリッド)
紀元前300年頃ギリシアで活躍した数学者。ムセイオンに学び、平面幾何学を大成した。『幾何学原本』を著した。

・アリスタルコス
紀元前310年頃〜紀元前230年頃に活躍したサモス島出身の天文学者。太陽中心説を唱えた。

・アルキメデス
紀元前287年頃〜紀元前212年に活躍したシチリア島シラクサ出身の数学者。ムセイオンに学び、梃子の原理アルキメデスの原理を発見。ポエニ戦争中に、ローマ兵に殺害される。

・エラトステネス
紀元前275年頃〜紀元前194年に活躍した北アフリカの植民市キレネ出身の天文学者。ムセイオンの館長を務め、地球の周囲を計測した。

ヘレニズム時代の哲学者

・ゼノン
紀元前335年〜紀元前263年に活躍したキプロス出身の哲学者。アテネで活躍し、ストア派を創始した。ストア派は世界市民主義を主張し、禁欲による幸福追求を求め、理性に従って生きることを基本理念とした。
のちのローマ帝国五賢帝のひとり、マルクス=アウレリウス=アントニヌスもストア派の哲学者であった。


・エピクロス
紀元前342年〜紀元前271年頃に活躍したサモス島出身の哲学者。アテネで活躍し、エピクロス派を創始した。エピクロス派は肉体的ではなく持続する精神的な快楽を追求しようとした学派で、ローマ帝国時代に衰退した。

ヘレニズム時代の宗教と芸術作品

・ヘレニズム時代の代表的な宗教として、光明神ミトラを崇拝するミトラ教がある。イランでおこり、ヘレニズム時代の民衆に信奉され、その後ローマ帝政期にも流行した。密儀宗教の一つ。

・ヘレニズム時代の著名な芸術作品は、「ミロのヴィーナス」、「瀕死のガリア人」、「サモトラケのニケ」、「ラオコーン」などが代表的である。
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・アレクサンドロス大王とヘレニズム時代(東方遠征、ヘレニズム文化など) 受験対策問題 10

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『世界史B 用語集』 山川出版社
『教科書 世界史B』 山川出版社

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