はじめに
このテキストでは、
新古今和歌集で詠まれている「
風になびく富士の煙の空に消えて ゆくへもしらぬわが思ひかな」という歌について説明していきます。
原文
風になびく富士の煙の空に消えて ゆくへもしらぬわが思ひかな
現代語訳(口語訳)
風になびく富士の噴煙が空に消えてゆく。その煙と同じように、私の思いもどこに行こうとするのか、行方もわからない。
解説・鑑賞のしかた
この歌を詠んだ西行法師は、妻子を残して出家をし、生涯流浪の旅を続けました。この歌は、そんな自分と行くあての知れない煙とをかけあわせ、自分自身に問いかけてみた句です。
単語
品詞分解
風 | ー |
に | 格助詞 |
なびく | カ行四段活用・連体形 |
富士 | ー |
の | 格助詞 |
煙 | ー |
の | 格助詞 |
空 | ー |
に | 格助詞 |
きえ | ヤ行下二段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
ゆくへ | ー |
も | 係助詞 |
しら | ラ行四段活用・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
我 | ー |
が | 格助詞 |
思ひ | ー |
かな | 終助詞 |