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『験なきものを思はずは一杯の濁れる酒を飲むべくあるらし』 現代語訳と解説・品詞分解

著者名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、万葉集で詠まれている「験なきものを思はずは一杯の濁れる酒を飲むべくあるらし」という歌について説明していきます。

原文

験なきものを思はずは一杯の濁れる酒を飲むべくあるらし

現代語訳(口語訳)

悩んでももしょうがないことは思わないで、一杯の濁った酒を飲むのがいいらしい。

解説・鑑賞のしかた

この歌は、大伴旅人によって詠まれたものです。この歌からは悩んでもしょうがない悲しみをずっと思いつめてしまうよりは、口に出さずに胸にこらえたまま一人で酒を飲んでいる方がいいという気持ちで詠まれたものです。ここで頭を悩ましているのは大友旅人の奥さんの死です。

品詞分解

※名詞は省略してあります。


なき(形容詞・ク活用・連体形)
もの
(格助詞)
思は(ハ行四段活用・未然形)
(打ち消しの助動詞・連用形)
(係助詞)
一杯
(格助詞)
濁れ(ラ行四段活用・命令形)
(存続の助動詞・連体形)

(格助詞)
飲む(マ行四段活用・終止形)
べく(適当の助動詞・連用形)
ある(ラ行変格活用・連体形)
らし(推定の助動詞・終止形)
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『教科書 精選国語総合』 東京書籍
佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店
『教科書 高等学校 国語総合 古典編』 三省堂

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