論語『子曰、詩三百、一言以蔽之、曰思無邪(一言以てこれを蔽う)』解説・書き下し文・口語訳
中国の思想家
孔子が述べたものを弟子たちがまとめたもの、それが
論語です。
論語は、孔子とその弟子たちの言動を記録した本です。孔子が亡くなった後、弟子たちが書物として残しました。この本は、儒教の経典であり、朱子学の「四書」の一つとして重要視されています。
論語の内容は、分かりやすく実践的な倫理について語っています。孔子の思想を一番よく伝えるものとされており、日常生活に即した価値観や道徳について述べられています。例えば、仁・義・礼・智・信など、儒教の基本的な考え方が多く登場します。また、論語には孔子の人柄や弟子たちの性格、学ぶ姿勢なども描かれています。
論語には有名な言葉や格言もたくさん含まれており、現代でも参考になる箇所が多いです。この本は孔子の死後に弟子たちが言葉を集めて記録したものですが、具体的に誰が書いたのかは諸説あります。後に鄭玄という人物が、漢代に存在した「魯論」「斉論」「古論」という3つのテキストを統一して注釈を加えました。さらに、何晏らによって『論語集解』という注釈が編纂され、今でも完全な形で残っています。
ここでは、論語の第2章「
為政第二」の第2、「一言以てこれを蔽(おお)う」の解説をしています。
白文(原文)
子曰、詩三百、一言以蔽之、曰思無邪。
書き下し文
子曰わく、詩三百、一言以てこれを蔽(おお)う、曰わく思い邪(よこしま)なし。
口語訳(現代語訳)
孔子先生はおっしゃいました。
「詩経には、300以上の詩があるが、その詩に書かれていることは1つの言葉でくくることができる。それは、『よこしまなでない、まっすぐな気持ち。』ということである」と。