社会保障制度
みなさんは、かぜをひいて病院に行ったときにいくらぐらい払っているかご存知ですか?
日本の医療制度では、治療にかかったお金の3割を負担すればよいことになっています。個人にかわって国が保障してくれる制度、これが
社会保障制度と呼ばれるものです。
社会保障制度をなす4つの制度
日本の社会保障制度は、
社会保険、
公的扶助、
社会福祉、
公衆衛生の4つの制度から成り立っています。それぞれみていきましょう。
社会保険
社会保険には、
医療保険、
年金保険、
雇用保険、
労働者災害補償保険の4つがあります。
■医療保険
医療保険とはさっき説明したように、病院での治療にかかったお金の7割を国が負担してくれる仕組みです。この医療保険には、すべての国民が加入することが義務付けられています。
■年金保険
年金保険は、いわゆる「年金」のことです。若いうちに国にお金を預けておいて、そのお金を国が運用して増やしてくれます。そして仕事をリタイアして収入がなくなった段階で、増やしたお金を国から受け取るというシステムです。この年金保険もすべての国民の加入が義務付けられています。しかしこの年金制度、実はうまくいっていなくてみなさんがリタイアするころにはなくなっているかもしれません。
年金保険には、障害者年金という制度もくっついます。この障害者年金は、不慮の事故などで体が不自由になったときに、国が生活費を保障してくれる制度なのですが、年金保険を払っていないと保障をしてもらえません。将来もらえる年金には期待していないけれど、体が不自由になったときのためにと割りきって年金を払い続けている人が多いような気がします。
■雇用保険
雇用保険とは、転職をするために会社を退職、もしくは会社をクビになったような場合に、次の働き先が見つかるまでの期間(最大で3ヶ月)生活費を保障してもらえる制度です。もらえる金額は、前の会社でもらっていた給料の額に応じて決まります。
■労働者災害補償保険
労働者災害補償保険とは「労災」と呼ばれるもので、仕事の間に怪我をしてしまったときに払われる保険です。例えば工場などで働く人が仕事の過程で指を骨折してしまったとしましょう。その仕事は指が使えないと仕事にならないので、この人は怪我をしている間は仕事ができなくなってしまいます。仕事ができないので収入もなくなってしまいますよね。この怪我が仕事に関係するところで怪我したものだと認められれば、指が治るまでの間の収入を保障してもらえるというわけです。
残りの「公的扶助」、「社会福祉」、「公衆衛生」の3つについては次回説明しましょう。