日本でも様々な工業がありますが、実は業種によって工場の立地条件が異なります。ここではいくつかの業種の特色、立地の理由をまとめていきましょう。
大切なのは暗記することではなく、なぜその場所なのかという背景を理解することですので、そこに注目をしながら見ていってください。
原料指向型工業
用いる原材料の産地の近くで発達している産業です。
原材料が膨大であったり輸送コストがかかりすぎるような産業が該当します。わざわざ材料を運んで加工するよりは、あらかじめ加工してから輸送したほうがコストがおさえられます。
例えば
セメントや
パルプ、
鉄鋼などがこれに該当します。
市場指向型工業
原料指向型工業が生産地と強い結びつきがあるのに対し、市場指向型工業は
製品の消費地で発達している産業です。
製品の輸送コストがかかりすぎる、市場の動向をリアルタイムに反映する必要があるなどの業界が該当します。
例えば
出版や
アパレル、
飲料などがこれにあたります。
労働集約型工業
安く大量の労働力を得られやすい地域で展開をしている産業です。
例えば自動車部品などの組立工場、繊維産業などがこれに該当します。外国人労働者の多い東海地方などに多くみられます。
交通指向型工業
交通に便利な地域に立地しやすい工業です。
「交通に便利」とは、臨海地域に立地するや空港に近いということを意味します。
造船業、
石油化学などがこれに該当します。
交通指向型工業は、臨海地域に展開をする
臨海指向型工業と、空港周辺に展開をする
臨空指向型工業があります。
用水指向型工業
冷却や戦場など製品製造の工程のなかで大量の水を使用するため、水の得やすい場所に立地する産業です。
鉄鋼や
パルプ、
化学繊維などがこれに該当します。
電力指向型工業
電力の得やすい場所に展開をしている工業です。
特に
アルミニウム産業は、火力発電や水力発電の盛んな場所に立地をしています。