「もはら逢ひごともえせで」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
もはら逢ひごともえせで、
明けば尾張の国へ立ちなむとすれば、男も人
知れず血の涙を流せど、え
逢はず。
現代語訳・口語訳・意味
まったく逢うこともできずに、
夜が明けると尾張の国に出発しようとするので、男も人知れず血の涙を流す(ほど悲しむ)のですが、逢うことはできません。
品詞分解
| 単語 | 品詞 |
| 明け | カ行下二段活用「あく」の未然形 |
| ば | 接続助詞 |
| 尾張 | 名詞 |
| の | 格助詞 |
| 国 | 名詞 |
| へ | 格助詞 |
| 立ち | タ行四段活用「たつ」の連用形 |
| な | 強意の助動詞「ぬ」の未然形 |
| む | 意志の助動詞「む」の終止形 |
| と | 格助詞 |
| すれ | サ行変格活用「す」の已然形 |
| ば、 | 接続助詞 |
| 男 | 名詞 |
| も | 係助詞 |
| 人 | 名詞 |
| 知れ | ラ行下二段活用「しる」の未然形 |
| ず | 打消の助動詞「ず」の連用形 |
| 血 | 名詞 |
| の | 格助詞 |
| 涙 | 名詞 |
| を | 格助詞 |
| 流せ | サ行四段活用「ながす」の已然形 |
| ど、 | 接続助詞 |
| え | 副詞 |
| 逢は | ハ行四段活用「あふ」の未然形 |
| ず。 | 打消の助動詞「ず」の終止形 |
主な出典
【伊勢物語「狩りの使ひ」】
野に歩けと、心はそらにて、今宵だに人しづめて、いととく逢はむと思ふに、国守、斎宮頭かけたる、狩りの使ひありと聞きて、夜ひと夜、酒飲みしければ、もはら逢ひごともえせで、明けば尾張の国へ立ちなむとすれば、男も人知れず血の涙を流せど、え逢はず。