はじめに
中学校から始まって、これまで学習してきた「長さ」や「時間」には、『
向き』という概念がありませんでした。
今まで学習していた、数量的な大きさのみで定まる量のことを
スカラーと言います。
ベクトル
しかしここからは、力や速度に向きを加えたものを考えていきます。これが
ベクトルです。(数学B)の学習範囲です。
ベクトルは次のように、文字の上に矢印をつけて表記します。

、
速度の合成
図のように、点Aから点Pの方向にボールを打ち上げるとします。
ボールが点Aから点Pに行くまでの速さを

m/sとしましょう。この速度を

とします。
ここで違った条件を取り入れます。上空では、左から右に

m/sの速さで風が吹いています。この速度を

とします。
速さと速度を区別する。速度は、速さに向きを加えたものです。
この場合、ボールのたどる軌跡はどうなるでしょうか。無風であれば点Aから点Pまで直線距離で進むはずが、風が吹いているために、どうしても右方向にボールは流されてしまいます。
本来点Pにつくはずだったボールはにまで流されてP'につきます。
つまり、実際にボールが描いた軌跡はAP'です。
このとき、AからP'につくまでの速度を

としましょう。
このとき、次のことが言えます。