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百人一首『明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな』現代語訳と解説 |
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著作名:
走るメロス
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明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
このテキストでは、百人一首に収録されている歌「明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな」の現代語訳・口語訳と解説(句切れの有無など)、そして品詞分解を記しています。この歌は、百人一首の他に、後拾遺和歌集にも収録されています。
百人一首は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ和歌集です。100人の歌人の和歌を、1人につき1首ずつ選んで作られています。
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき (※1)朝ぼらけかな
あけぬれば くるるものとは しりながら なほうらめしき あさぼらけかな
(夜が)あけてしまうと、(やがてまた)日が暮れて(あなたに逢えるとは)わかってはいるものの、(あなたとの朝の別れがつらいので)やはり恨めしい朝であることですよ。
この歌の詠み手は、藤原道信朝臣(ふじわら の みちのぶあそん)です。
詞書によると、ある女性と夜をともに過ごし、雪の降る明け方に帰った男性が詠んだ後朝(きぬぎぬ)の歌です。「ずっと一緒にいたいのだけど朝になると帰らなくてはならない。夜になればまた逢えるのがわかっているとしても」と、恋に盲目的と言いますか、自信に満ち溢れた何とも言えない若々しさが伝わってくる歌ではないでしょうか。
(※1)朝ぼらけ | 明け方、夜明け、ほのぼのと明るくなる頃 |
句切れなし。
※名詞は省略しています。
明け | カ行下二段活用「あく」の連用形 |
ぬれ | 完了の助動詞「ぬ」の已然形 |
ば | 接続助詞 |
暮るる | ら行下二段活用「くる」の連体形 |
もの | ー |
と | 格助詞 |
は | 係助詞 |
知り | ラ行四段活用「しる」の連用形 |
ながら | 接続助詞 |
なほ | 福祉 |
恨めしき | シク活用の形容詞「うらめし」の連体形 |
朝ぼらけ | ー |
かな | 終助詞 |
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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