更新日時:
|
|
古文単語「やる/遣る」の意味・解説【ラ行四段活用】 |
|
著作名:
走るメロス
26,856 views |
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「やる/遣る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「やる」には
①遣る
②破る
③やる(尊敬の助動詞)
などの用法があるが、ここでは「①遣る」を扱う。
未然形 | やら |
連用形 | やり |
終止形 | やる |
連体形 | やる |
已然形 | やれ |
命令形 | やれ |
(人を)
行かせる、派遣する。
[出典]:成方の笛 十訓抄
「『千石に買はむ。』とありけるを、売らざりければ、たばかりて使ひをやりて...」
[訳]:(俊綱が)「千石で買おう。」といったのですが、(成方は笛を)売らなかったので、(俊綱は)たくらんで使いの者を(成方のもとに)行かせて...
「『千石に買はむ。』とありけるを、売らざりければ、たばかりて使ひをやりて...」
[訳]:(俊綱が)「千石で買おう。」といったのですが、(成方は笛を)売らなかったので、(俊綱は)たくらんで使いの者を(成方のもとに)行かせて...
(物を)
送る、贈る、与える。
憂さ晴らしをする、気を晴らす。
[出典]:万葉集
「夜光る玉といふとも酒飲みて心をやるにあに及かめやも」
[訳]:夜に光る玉(宝石)といっても、酒を飲んで憂さ晴らしをすることにどうして勝るだろうか、いや勝らない
「夜光る玉といふとも酒飲みて心をやるにあに及かめやも」
[訳]:夜に光る玉(宝石)といっても、酒を飲んで憂さ晴らしをすることにどうして勝るだろうか、いや勝らない
(水を)流れていくようにする。
(車を)先へ進める。
[出典]:阿蘇の史 今昔物語
「夜ふけて家に帰りけるに、東の中の御門より出でて車に乗りて、大宮下りにやらせて行きけるに...」
[訳]:夜がふけてから家に帰ったときに、東の中の門から出発して牛車に乗り、大宮大路を南に下って先へ進めさせて行ったのだが...
「夜ふけて家に帰りけるに、東の中の御門より出でて車に乗りて、大宮下りにやらせて行きけるに...」
[訳]:夜がふけてから家に帰ったときに、東の中の門から出発して牛車に乗り、大宮大路を南に下って先へ進めさせて行ったのだが...
逃がす。
遠くまで〜する、はるかに〜する。
[出典]:東下り 伊勢物語
「その河のほとりにむれゐて、思ひやればかぎりなく遠くも来にけるかなと、わびあへるに...」
[訳]:その川のほとりで群がり座って、(都へと)はるかに思いをはせると果てしなく遠くまできたものだなあと、(皆で)一緒に気弱になっているところ...
「その河のほとりにむれゐて、思ひやればかぎりなく遠くも来にけるかなと、わびあへるに...」
[訳]:その川のほとりで群がり座って、(都へと)はるかに思いをはせると果てしなく遠くまできたものだなあと、(皆で)一緒に気弱になっているところ...
すっかり〜する、最後まで〜(をやり)きる。
※この用法の場合、後ろに打消の語を伴う場合が多い。
[出典]:桐壷 源氏物語
「言ひもやらず、むせかへり給ふほどに...」
[訳]:(桐壷の母君は)最後まで言いきることができず、むせび泣いていらっしゃるうちに...
「言ひもやらず、むせかへり給ふほどに...」
[訳]:(桐壷の母君は)最後まで言いきることができず、むせび泣いていらっしゃるうちに...
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
古文単語「ずうず/誦ず」の意味・解説【サ行変格活用】
>
古文単語「あひおもふ/相思ふ」の意味・解説【ハ行四段活用】
>
古文単語「こころたばかり/心謀り」の意味・解説【名詞】
>
古文単語「はなつ/放つ」の意味・解説【タ行四段活用】
>
古文単語「おきつ/掟つ」の意味・解説【タ行下二段活用】
>
最近見たテキスト
古文単語「やる/遣る」の意味・解説【ラ行四段活用】
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング
注目テキスト