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古文単語「けぶる/煙る/烟る」の意味・解説【ラ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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けぶる/煙る/烟る

このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「けぶる/煙る/烟る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ラ行四段活用

未然形けぶら
連用形けぶり
終止形けぶる
連体形けぶる
已然形けぶれ
命令形けぶれ


意味1:自動詞

煙が立つ、煙や霞で辺りが霞んで見える

[出典]:若紫 源氏物語
「はるかに霞わたりて、四方の梢そこはかとなうけぶりわたれるほど...」

[訳]:遠くまで霞がかかって、まわりの木々の梢がどことなく一面にかすんで見えている辺りを...


意味2:自動詞

芽吹く、(若葉が)萌え出る

[出典]:柏木 源氏物語
「木だちいたうけぶりて...」

[訳]:木立(の若葉)がたいそう萌え出て...




意味3:自動詞

ほんのりと美しく見える

[出典]若葉・北山の垣間見 源氏物語
「面つきいとらうたげにて、眉のわたりうちけぶり、いはけなくかいやりたる額つき、髪ざし、いみじううつくし。」

[訳]:顔つきがたいそうかわいらしく、眉のあたりがほんのりと美しく見え、あどけなく(髪を)かき上げた額の様子、髪の生え具合が、たいそうかわいらしいです。


意味4:自動詞

火葬にされて煙となる

[出典]:夫木抄
「むかひ居て見るにも悲しけぶりにし人を思ひの灰によそへて」

[訳]:向かって座って見るのも悲しい。火葬にされて煙となった人を恋しく思う火の灰になぞらえて


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