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古文単語「かなし/悲し/哀し」の意味・解説【形容詞シク活用】 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、シク活用の形容詞「かなし/悲し/哀し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「かなし」には
①愛し
②悲し/哀し
の用法があるが、ここでは「②悲し/哀し」について扱う。
未然形 | かなしく | かなしから |
連用形 | かなしく | かなしかり |
終止形 | かなし | ◯ |
連体形 | かなしき | かなしかる |
已然形 | かなしけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | かなしかれ |
切ない、悲しい、嘆かわしい。
[出典]:帰京 土佐日記
「思ひ出でぬことなく、思ひ恋しきがうちに、この家にて生まれし女子の、もろともに帰らねば、いかがは悲しき。」
[訳]:思い出さないことはなく、(昔を)思って恋しいことの中でも、この家で生まれた女の子が(土佐で死んでしまったために、京都に)一緒に帰っていないのが、どんなに悲しいことか。
「思ひ出でぬことなく、思ひ恋しきがうちに、この家にて生まれし女子の、もろともに帰らねば、いかがは悲しき。」
[訳]:思い出さないことはなく、(昔を)思って恋しいことの中でも、この家で生まれた女の子が(土佐で死んでしまったために、京都に)一緒に帰っていないのが、どんなに悲しいことか。
気の毒だ、哀れだ、ふびんだ。
[出典]:かぐや姫の昇天・天の羽衣 竹取物語
「中将取りつれば、ふと天の羽衣うち着せ奉りつれば、翁をいとほしく、かなしとおぼしつることも失せぬ。」
[訳]:頭の中将が受け取り、さっと天の羽衣を(かぐや姫に)着せて差し上げたところ、おじいさんが気の毒だ、ふびんだとお思いになっていたことも( 天の羽衣の影響でかぐや姫の心から)消えてしまいました。
「中将取りつれば、ふと天の羽衣うち着せ奉りつれば、翁をいとほしく、かなしとおぼしつることも失せぬ。」
[訳]:頭の中将が受け取り、さっと天の羽衣を(かぐや姫に)着せて差し上げたところ、おじいさんが気の毒だ、ふびんだとお思いになっていたことも( 天の羽衣の影響でかぐや姫の心から)消えてしまいました。
(経済的に)
貧しい、生活が苦しい。
[出典]:西鶴諸国はなし 井原西鶴
「これはかなしき年の暮れに...」
[訳]:これは貧しい年の瀬に...
「これはかなしき年の暮れに...」
[訳]:これは貧しい年の瀬に...
悔しい、残念だ。
[出典]:宇治拾遺物語
「物もおぼえぬ腐り女に、かなしう言はれたる。」
[訳]:ものもわからないつまらない女に、悔しくも言われたことだよ。
※「かなしう」は連用形「かなしく」のウ音便。
「物もおぼえぬ腐り女に、かなしう言はれたる。」
[訳]:ものもわからないつまらない女に、悔しくも言われたことだよ。
※「かなしう」は連用形「かなしく」のウ音便。
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