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古文単語「こころもとなし/心許なし」の意味・解説【形容詞ク活用】 |
著作名:
走るメロス
77,179 views |
こころもとなし/心許なし
このテキストでは、ク活用の形容詞「こころもとなし/心許なし」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
形容詞・ク活用
未然形 | こころもとなく | こころもとなから |
連用形 | こころもとなく | こころもとなかり |
終止形 | こころもとなし | ◯ |
連体形 | こころもとなき | こころもとなかる |
已然形 | こころもとなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | こころもとなかれ |
■意味1
待ち遠しい、じれったい。
[出典]:更級日記 菅原孝標女
「はしるはしる、わづかに見つつ、心も得ず心もとなく思ふ源氏を...」
[訳]:(これまで)胸をわくわくさせながら、(部分的に)少し読んでは、(ストーリーが)よくわからずにじれったく思っている源氏物語を...
「はしるはしる、わづかに見つつ、心も得ず心もとなく思ふ源氏を...」
[訳]:(これまで)胸をわくわくさせながら、(部分的に)少し読んでは、(ストーリーが)よくわからずにじれったく思っている源氏物語を...
■意味2
気がかりだ、不安だ、落ち着かない。
■意味3
はっきりしない、ぼんやりとしている、ほのかに。
[出典]:枕草子 清少納言
「花びらの端に、をかしきにほひこそ、心もとなうつきためれ。」
[訳]:花びらの端に、美しい色つやが、ほのかについているように見える。
※「こころもとなう」は「こころもとなし」の連用形のウ音便。
「花びらの端に、をかしきにほひこそ、心もとなうつきためれ。」
[訳]:花びらの端に、美しい色つやが、ほのかについているように見える。
※「こころもとなう」は「こころもとなし」の連用形のウ音便。
■意味4
不十分である、不満である。
[出典]:源氏物語 紫式部
「少納言がもてなし、心もとなき所なう...。」
[訳]:少納言の取り計らいは、不十分なところもなく...
「少納言がもてなし、心もとなき所なう...。」
[訳]:少納言の取り計らいは、不十分なところもなく...
■備考
「こころもとなう」は「こころもとなし」の連用形のウ音便。
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