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老子『小国寡民』書き下し文、現代語訳と解説 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、中国の思想家老子が著したとされる「老子(老子道徳経)」の一節『小国寡民』の原文(白文)、書き下し文、わかりやすい現代語訳(口語訳)とその解説を記しています。
小国寡民とは、読んで字の如く「小さい国で国民は少ない」を意味し、老子が理想とした国のあり方とされています。
現代語訳だけでは漠然としていてわかりにくい点があるので、初めにざっくりとしたあらすじを紹介します。主に漢文の後半部分です。
国民が昔ながらの生活をし、食事や着ている服、住んでいる家や習慣に満足をしている。このような環境下であれば、例え隣国が目と鼻の先ぐらいの距離にあったとしても、国民は自分たちの国に満足をしているので、わざわざ他国まで出かけて行くこともない。結果的に、他国と比べることがなくなり、自分たちに無いものを求め、自分たちよりも持っている人たちを妬み奪おうとする心が芽生えなくなる。また、領土を拡大しようとする欲求も生まれない。そんな世界が理想である。
小国寡民。
使有什伯之器而不用。
使民重死而不遠徙、雖有舟輿、無所乗之、雖有甲兵、無所陳之。
使民復結縄而用之、甘其食、美其服、安其居、楽其俗、隣国相望、鶏犬之声相聞、民至老死、不相往来。
"出展:「老子」(老子道徳経)独立第八十"
小国寡民。
什伯(じゅうはく)の器有れども用ゐざらしむ。
民をして死を重んじんて遠く徙(うつ)らざらしめば、舟輿(しゅうよ)有りと雖(いへど)も、之に乗る所無く、甲兵有りと雖も、之を陳(つら)ぬる所無し。
民をして復た縄を結びて之を用ゐ、其の食を甘(うま)しとし、其の服を美とし、其の居に安んじ、其の俗を楽しましめば、隣国相望み、鶏犬の声相聞こゆるも、民老死に至るまで、相往来せざらん。
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