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老子『大道廃有仁義(大道廃れて仁義有り)』現代語訳・書き下し文と解説 |
著作名:
走るメロス
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老子『大道廃有仁義』の原文・現代語訳と解説
このテキストでは、中国の哲学者であった老子が著したとされる「老子(老子道徳経)」の一節『大道廃有仁義』の原文(白文)、書き下し文、現代語訳(口語訳)とその解説を記しています。
白文(原文)と書き下し文
大道廃、有仁義。
大道廃れて、仁義有り。
智慧出、有大偽。
智慧出でて、大偽有り。
(※1)六親不和、有(※2)孝慈。
六親(りくしん)和せずして、孝慈有り。
国家昏乱、有忠臣。
国家昏乱して、忠臣有り。
現代語訳(口語訳)
大道廃れて、仁義有り。
(無為自然の)大いなる道が廃れたので、仁義(の概念)が生まれた。
智慧出でて、大偽有り。
(悪)知恵を持った者(儒者)が現れたので、人的な秩序や制度が生まれた。
六親和せずして、孝慈有り。
親兄弟や夫婦の仲が悪くなると、孝行者(の存在)が目立つようになる。
国家昏乱して、忠臣有り。
国家が乱れてくると、忠臣(の存在)が目立つようになる。
解説
老子の思想は「人の手を加えないで、何もせずあるがままにまかせること」を理想とする「無為自然」の考え方でした。これは仁義を重んじる儒教の考え方とは異なります。『大道廃有仁義』では、「無為自然の生き方が廃れてしまったからこそ、人為的な道徳が説かれるようになってしまった」として、仁義を否定する見解が述べられています。
単語
(※1)六親 | 「親兄弟、夫婦」さらには「親族」を指す言葉 |
(※2)孝慈 | 「孝」は親への孝行、「慈」は子への慈愛 |
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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