|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
蜻蛉日記原文全集「ふる年に節分するを」 |
著作名:
古典愛好家
8,889 views |
蜻蛉日記
ふる年に節分するを
ふる年に節分するを、
「こなたに」
などいはせて
いとせめておもふ心をとしのうちに はるくることもしらせてしがな
かへりごとなし。また、
「ほどなきことを、すぐせ」
などやありけむ。
かひなくてとしくれはつるものならば はるにもあはぬみともこそなれ
こたみもなし。いかなるにかあらんと思ふほどに、
「とかういふ人あまたあなり」
ときく。さてなるべし、
われならぬ人まつならばまつといはで いたくなこしそおきつしらなみ
かへりごと、
こしもせずこさずもあらずなみよせの はまはかけつつとしをこそふれ
年(とし)せめて、
さもこそはなみのこころはつらからめ としさへこゆるまつもありけり
かへりごと、
ちとせふるまつもこそあれほどもなく こえてはかへるほどやとほかる
とぞある。あやし、なでふことぞと思ふ。風ふきあるるほどにやる。
ふくかぜにつけても物をおもふかな 大うみのなみのしづ心なく
とてやりたるに、
「きこゆべき人は、けふのことをしりてなん」
と異手(ことて)して、一葉(ひとは)ついたる枝につけたり。たちかへり、
「いとほしう」
などいひて、
わがおもふ人はたそとはみなせども なげきのえだにやすまらぬかな
などぞいふめる。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
蜻蛉日記原文全集「さて助に、かくてやなどさかしらがる人のありて」
>
蜻蛉日記原文全集「今年いたうあるるとなくて」
>
平家物語原文全集「西光被斬 3」
>
蜻蛉日記原文全集「木陰いとあはれなり」
>
蜻蛉日記原文全集「九十月もおなじさまにて」
>
平家物語原文全集「西光被斬 2」
>
枕草子 原文全集「とくゆかしき物/心もとなき物」
>
最近見たテキスト
蜻蛉日記原文全集「ふる年に節分するを」
10分前以内
|
>
|
デイリーランキング