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古文単語「おもひかく/思ひ掛く/思ひ懸く」の意味・解説【カ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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「おもひかく/思ひ掛く/思ひ懸く」の意味・活用・使用例【カ行下二段活用

このテキストでは、カ行下二段活用の動詞「おもひかく/思ひ掛く/思ひ懸く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

カ行下二段活用

未然形おもひかけ
連用形おもひかけ
終止形おもひかく
連体形おもひかくる
已然形おもひかくれ
命令形おもひかけよ


意味1:他動詞

予想する、予測する

[出典]競べ弓・弓争ひ 大鏡
「帥殿の、南院にて人々集めて弓あそばししに、この殿わたらせ給へれば、『思ひかけずあやし。』と、中の関白殿思し驚きて...」

[訳]:帥殿(藤原伊周)が、(伊周の父親のいる)南院で人々を集めて弓の競射をなさったときに、この殿(藤原道長)がいらっしゃったので、「予期せず珍しいことだ。」と中関白殿(藤原道隆)はびっくりなさって...


意味2:他動詞

気にかける、心にかける、考える

[出典]物語・源氏の五十余巻 更級日記
「『法華経五の巻をとく習へ。』と言ふと見れど、人にも語らず、習はむとも思ひかけず。」

[訳]:「法華経五の巻をはやく習いなさい。」と言う夢を見たのだが、(そのことは)人にも話さず、習おうとも気にかけない。




意味3:他動詞

恋い慕う、恋しく思う

[出典]:伊勢物語
「昔、いやしからぬ男、我よりはまさりたる人を思ひかけて、年経ける。」

[訳]:昔、身分が低くはない男が、自分よりは(身分が)高い人を恋しく思って、年月が過ぎた。


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