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『君が行く道の長手(ながて)を繰り畳(たた)ね焼き滅ぼさむ天の火もがも』現代語訳と解説・品詞分解 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、万葉集で詠まれている歌「君が行く道の長手を繰り畳ね焼き滅ぼさむ天の火もがも」のわかりやすい現代語訳・口語訳とその解説(品詞分解など)について記しています。
万葉集は、奈良時代末期に成立したとみられる日本に現存する最古の和歌集です。平成の次の元号である「令和」(2019年5月1日〜)の由来となった『梅花の歌三十二首并せて序』をはじめ、天皇や貴族、役人や農民など様々な身分の人々が詠んだ4500以上の歌が収録されています。
君が行く 道の長手を 繰り畳ね 焼き滅ぼさむ 天の火もがも
きみがゆく みちのながてを くりたたね やきほろぼさむあめのひもがも
あなたが(流刑で行く)長い道のりを、手繰り寄せて折りたたんで焼き払ってしまえるような、そんな天の神の火がほしい。
作者の恋人が、越前の国に流罪になったときに詠まれた歌です。長い道のりを天の火が焼き払うということは実際には起こりえませんが、そう表現するほど、恋人との別れがつらかったという作者の心情が伺えます。
道の長手 | 長い道のり |
天の火 | 天から降ってくる火 |
もがも | 「もがな」とも書き、「~だったらいいなぁ」と訳す |
※名詞は省略しています。
君 | ー |
が | 格助詞 |
行く | カ行四段活用・連体形 |
道 | ー |
の | 格助詞 |
長手 | ー |
を | 格助詞 |
繰り畳ね | ナ行下二段活用・連用形 |
焼き滅ぼさ | サ行四段活用・未然形 |
む | 婉曲の助動詞・連体形 |
天 | ー |
の | 格助詞 |
火 | ー |
もがも | 願望の終助詞 |
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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