|
|
|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
更級日記 原文全集「竹の葉の風」 |
|
著作名:
古典愛好家
17,614 views |
|
更級日記
竹の葉の風
八月になりて、廿余日のあかつきがたの月、いみじくあはれに、山の方はこぐらく、滝の音もにるものなくのみながめられて、
思ひ知る人に見せばや山里の 秋の夜ふかきありあけの月
京にかへり出づるに、わたりし時は、水ばかり見えし田どもも、皆かりはててけり。
苗代の水かげばかり見えし田の かりはつるまで長居しにけり
十月つごもりがたに、あからさまにきて見れば、こぐらうしげれりし木の葉ども、残りなく散り乱れて、いみじくあはれげに見えわたりて、心地よげにささらき流れし水も、木の葉にうづもれて、あとばかり見ゆ。
水さへぞすみたえにける木の葉ちる あらしの山の心細さに
そこなる尼に、
「春まで命あらば必ず来む。花盛りはまづ告げよ」
などいひてかへりにしを、年かへりて、三月十余日になるまで音もせねば、
契りおきし花の盛りをつげぬかな 春やまだこぬ花やにほはぬ
旅なる所にきて、月の頃、竹のもとちかくて、風の音に目のみさめて、うちとけてねられぬころ、
竹の葉のそよぐ夜ごとにねさめして なにともなきに物ぞ悲しき
秋ごろ、そこをたちて、ほかへうつろひて、そのあるじに、
いづことも露のあはれはわかれじを 浅茅(あさぢ)が原の秋ぞ悲しき
このテキストを評価してください。
|
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
更級日記 原文全集「東山」
>
更級日記 原文全集「あらましごと」
>
枕草子 原文全集「虫は」
>
枕草子 原文全集「風は/八九月ばかりに/九月つごもり/野分のまたの日こそ」
>
枕草子 原文全集「小白川といふ河は」
>
蜻蛉日記原文全集「秋つかたになりにけり」
>
平家物語原文全集「殿下乗合 5」
>
























