石器は、人間が石を用いて製作し、使用した道具を指します。特に石器時代の遺物を指すことが一般的です。石器は人類の歴史において重要な役割を果たし、その範囲や進化は時代とともに変化してきました。


旧石器時代は、約250万年前から1万6000年前までの期間を指します。この時代に人々は石を加工してさまざまな道具を作り、生活に利用していました。以下に、旧石器時代の石器について詳しく説明します。


旧石器時代の人々が使っていた主な道具は打製石器です。これは黒曜石やサヌカイト、安山岩、頁岩などの石材を動物の骨や他の石で打ち欠いて作られました。主な種類は以下の通りです。

ハンドアックス: 手で握って使う石斧など。
ブレイド: 切る・削るなどに使うナイフ型の石器。
ポイント: 尖頭器とも呼ばれ、槍のように木の枝に付けて使う道具。
マイクロリス: 細石刃と呼ばれ、小さいが鋭い刃を持つ道具。
これらの道具は、狩猟や調理、木の皮採集、動物の皮加工などで使用されました。




気候が不安定で農耕が始まっていなかったため、食料は主に狩猟と採集で確保されていました。大型哺乳類（ナウマンゾウやマンモス）を食べていたり、中小型哺乳類（ニホンジカ、イノシシ、ノウサギ）を狩っていました。また、海沿いでは魚も採取されていたと考えられています。


気温は現在よりも低く氷河期と間氷期を繰り返していました。海面上昇が起こり広葉樹林が広がったことも特徴です。

このように旧石器時代の人々は厳しい自然条件下で生活しており、その生活様式や技術は後世の文化へ影響を与えました。


新石器時代は、完新世のうちのひとつの区切りである亜旧石器時代に続き、新石器革命を形成する耕作の発展によって開始されたとされます。伝統的には石器時代の最後の部分とされる時代であり、主に以下の特徴があります。


旧石器時代では主に打製石器が使われていましたが、新石器時代になると人類は磨製石器を使うようになりました。打製石器は石と石をぶつけて削って作りますが、磨製石器は石を磨いてつくります。代表的なものには石臼や石斧があります。


旧石器時代では主に狩猟中心でしたが、新石器時代では四季に合わせて狩猟と採取を行い、植物中心の食事が増えました。木の実や野菜、魚などが食べられました。


新石器時代は農耕・牧畜を行うようになった時期でもあります。特に西アジア・ヨーロッパ・中国では農耕や牧畜が始まったことが確認されています。

このように新石器時代は人類社会において重要な転換期であり、文明の発展へ向けた大きな一歩でした。