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『世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし』 意味と文法・品詞分解
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、古今和歌集、そして伊勢物語の第82段「渚の院」に収録されている歌「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」の現代語訳・口語訳と解説、そしてその品詞分解をしています。

原文

世の中に(※1)たえて桜のなかり(※2)せば 春の心はのどけから(※2)まし

ひらがなでの読み方

よのなかに たえてさくらの なかりせば はるのこころは のどけからまし

現代語訳

この世の中に、全く桜というものがなかったなら、春を過ごす人の心はどんなにのどかであることでしょう。

解説・鑑賞のしかた

この歌は、在原業平が詠んだものです。古今和歌集の詞書には、「渚の院で桜を見て詠んだ歌」と記されています。

本来春はのどかな季節であるのに、人は桜が咲くのを待ち、散るのが気になり落ち着きません。桜があるために人々の心が穏やかでないことを述べて、人の心を騒ぎ立てる力のある桜の素晴らしさを伝えようとしている作品です。

単語

(※1)たえて下に打消の語をともない「全く〜ない」と訳す
(※2)せば~まし反実仮想を表し、「〜なら~だろうに」と訳す
(※3)のどけからク活用の形容詞「のどけし」の未然形。「のどかだ、穏やかだ」の意


品詞分解

※名詞は省略しています。

世の中
格助詞
たえて副詞
格助詞
なかりク活用の形容詞「なし」の連用形
過去の助動詞「き」の未然形
接続助詞
格助詞
係助詞
のどけからク活用の形容詞「のどけし」の未然形
まし反実仮想の助動詞「まし」の終止形


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