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『春日野の雪間をわけて生ひ出でくる草のはつかに見えし君はも』現代語訳・品詞分解・序詞
著作名: 走るメロス
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「春日野の雪間をわけて生ひ出でくる草のはつかに見えし君はも」現代語訳と解説

このテキストでは、古今和歌集に収録されている歌「春日野の雪間をわけて生ひ出でくる草のはつかに見えし君はも」のわかりやすい現代語訳・口語訳、解説、品詞分解を記しています。



古今和歌集とは

古今和歌集(こきんわかしゅう)は、平安時代前期の勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)です。勅撰和歌集とは、天皇や上皇の命令により編集された和歌集のことです。


原文

春日野の雪間をわけて生ひ出でくる草のはつかに見えし君はも


ひらがなでの読み方

かすがのの ゆきまをわけて おひでくる くさのはつかに みえしきみはも


現代語訳(口語訳)

春日野の雪の間を分けて生えて出てくる草がわずかに見えるように、わずかに見えたあなたの姿であったよ。



解説・鑑賞のしかた

この歌は壬生忠岑によって詠まれたものです。壬生忠岑が京から春日神社に出かけたときにほのかに見かけた女性への、忘れがたい恋心を詠んだ歌です。「春日野の雪間をわけて生ひ出でくる草の」が序詞です。


単語

雪間積もった雪がとけて、一部の地表が見えているところ
はつかにわずかに


品詞分解

※名詞は省略しています。

春日野
格助詞
雪間
格助詞
わけカ行下二段活用・連用形
接続助詞
生ひ出でくるカ行変格活用・連体形
格助詞
はつかに形容動詞・ナリ活用・連用形
見えヤ行下二段活用・連用形
過去の助動詞・連体形
詠嘆の終助詞
詠嘆の終助詞



著者情報:走るメロスはこんな人

学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。

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