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植民市とは わかりやすい世界史用語1067 |
著作名:
ピアソラ
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植民市とは
ローマ帝国は、その領域を広げ、支配を強化するために「植民市」を設立しました。これらの植民市は、ローマ市民や退役軍人を新たに征服した地域に定住させることを目的としており、ローマの影響力を拡大するための重要な手段となっていました。
植民市の種類
ローマ植民市: これらの植民市は主にローマ市民から成り立ち、通常は海岸近くに設けられました。例としてはオスティア(紀元前350年)やリミニ(紀元前268年)などがあります。ここにはローマ市民権を持つ退役軍人とその家族が住み、農地や公共の土地の利用権が与えられました。
ラテン植民市: ラテン植民市はローマ植民市よりも規模が大きく、敵対地域やその周辺に設立されました。住民はローマ市民権を失う代わりに広大な土地を与えられ、ローマに戻ることで市民権を再取得することが可能でした。
植民市の歴史
ローマの最初の植民市は紀元前752年頃にラティウム地方のアンテムナエとクルストゥメリウムに設立されました。その後、紀元前6世紀にはシグニア、紀元前5世紀にはヴェリトラエやノルバ、紀元前4世紀末にはオスティア、アンティウム、タッラキナなどが設立されました。
ローマの植民市は主に軍事的な目的で設立され、ローマの領土を防衛する役割を果たしました。例えば、第二次カルタゴ戦争中の紀元前206年にプブリウス・コルネリウス・スキピオが設立したヒスパニアのイタリカが挙げられます。
植民市の役割と影響
軍事的機能: 植民市はローマの軍事的前哨基地として機能し、征服地の防衛と安定に寄与しました。これによってローマは広大な領域を効率的に支配することができました。
ローマ化の推進: 植民市はローマの文化、法律、言語を広める拠点となり、退役軍人や市民が新しい地域に定住することでローマの影響が広がり、現地住民がローマの生活様式を受け入れるようになりました。
経済発展: 植民市は商業や農業の中心地としても機能し、地域経済の発展に寄与しました。多くの植民市は重要な商業都市や交通の要所となり、ローマ帝国全体の経済活動を支える役割を果たしました。
代表的なローマの植民市
オスティア: 紀元前350年に設立されたオスティアは、ローマの主要な港湾都市として栄え、物資の輸送拠点として重要な役割を果たしました。
タラコ: スペインのタラコ(現在のタラゴナ)は、紀元前218年に設立され、ローマのヒスパニア支配の中心地となりました。
イタリカ: 紀元前206年に設立されたイタリカは、ローマの退役軍人が定住し、ヒスパニアのローマ化を推進する拠点となりました。
ローマの植民市は、帝国の拡大と支配を支える重要な要素でした。これらの植民市は、軍事的防衛の拠点であるだけでなく、ローマ文化の普及や経済発展の中心地としても機能しました。この植民市制度は、その後のヨーロッパの植民地支配にも影響を与え、多くの歴史的都市の基盤となりました。
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