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古文単語「すます/澄ます/清ます/洗ます」の意味・解説【サ行四段活用】 |
著作名:
走るメロス
10,405 views |
すます/澄ます/清ます/洗ます
このテキストでは、サ行四段活用の動詞「すます/澄ます/清ます/洗ます」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
サ行四段活用
未然形 | すまさ |
連用形 | すまし |
終止形 | すます |
連体形 | すます |
已然形 | すませ |
命令形 | すませ |
■意味1:他動詞
洗い清める、洗う、きれいにする。
[出典]:若菜下 源氏物語
「女君は、暑くむつかしとて、御髪澄まして、すこしさはやかにもてなしたまへり。」
[訳]:女君は、暑くうっとおしいと言って、御髪を洗い清めて、少しさっぱりとした様子でいらっしゃった。
「女君は、暑くむつかしとて、御髪澄まして、すこしさはやかにもてなしたまへり。」
[訳]:女君は、暑くうっとおしいと言って、御髪を洗い清めて、少しさっぱりとした様子でいらっしゃった。
■意味2:他動詞
(水や心などの汚れをのぞいて)
澄むようにする、静める。
[出典]: 刑部卿敦兼と北の方 古今著聞集
「更たけ、夜静かにて、月の光風の音、物ごとに身にしみわたりて、人の恨めしさも取り添へておぼえけるままに、心を澄まして...」
[訳]:夜がふけて、夜は静まり返り、月の光や風の音、ひとつひとつの物が身にしみわたって、夫人への恨めしさも物思いの感情に)付け加えて感じられたので、心を静めて...
「更たけ、夜静かにて、月の光風の音、物ごとに身にしみわたりて、人の恨めしさも取り添へておぼえけるままに、心を澄まして...」
[訳]:夜がふけて、夜は静まり返り、月の光や風の音、ひとつひとつの物が身にしみわたって、夫人への恨めしさも物思いの感情に)付け加えて感じられたので、心を静めて...
■意味3:他動詞
(国や世の中などの)
乱れをなくす、鎮める。
[出典]:平家物語
「一天をしづめ、四海をすます。」
[訳]:国全体を鎮圧し、全土の乱れをなくす。
「一天をしづめ、四海をすます。」
[訳]:国全体を鎮圧し、全土の乱れをなくす。
■意味4:補助動詞
心を込めて一心に〜する。
[出典]:平家物語
「おし返しおし返し、三返歌ひすましたりければ...」
[訳]:くり返しくり返し、三度心を込めて一心に歌ったので...
「おし返しおし返し、三返歌ひすましたりければ...」
[訳]:くり返しくり返し、三度心を込めて一心に歌ったので...
■意味5:補助動詞
うまく〜する、完全に〜する。
[出典]: 平家物語
「さしも御秘蔵さうらふ生食を盗みすまいて上りさうは。」
[訳]:あれほど大切にしていらっしゃる生食(愛馬の名)をうまく盗んで(都に)上るのですよ。
「さしも御秘蔵さうらふ生食を盗みすまいて上りさうは。」
[訳]:あれほど大切にしていらっしゃる生食(愛馬の名)をうまく盗んで(都に)上るのですよ。
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