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古文単語「ひつ/漬つ/沾つ」の意味・解説【タ行四段活用/タ行上二段活用/タ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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「ひつ/漬つ/沾つ」の意味・活用・使用例【タ行四段活用/タ行上二段活用/タ行下二段活用】

このテキストでは、古文単語「ひつ/漬つ/沾つ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

「ひつ」には、
①タ行四段活用
②タ行上二段活用
③タ行下二段活用
の用法がある。

①タ行四段活用

未然形ひた
連用形ひち
終止形ひつ
連体形ひつ
已然形ひて
命令形ひて


意味1:自動詞

水につかる、濡れる、涙で濡れる

[出典]古今和歌集
「袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ」

[訳]:(夏の日に)袖がぬれて(手に)すくった川の水が、(冬の間は)凍っていたのを、立春の今日の風が吹き溶かしているのだろうか。




②タ行上二段活用

未然形ひち
連用形ひち
終止形ひつ
連体形ひつる
已然形ひつれ
命令形ひちよ


※意味は「①タ行四段活用」のものと同じ。

意味1:自動詞

水につかる、濡れる、涙で濡れる

[出典]:蜻蛉日記
「袖ひつる時をだにこそ嘆きしか身さへ時雨のふりもゆくかな」

[訳]:(昔は)袖が涙で濡れる時でさえ悲しみに暮れたものですが、(今は袖どころか)自分の体にまで時雨(涙)が降り、年老いていくことだなあ。




③タ行下二段活用


意味1:他動詞

水につける、濡らす

[出典]忘れ貝 土佐日記
「手をひてて寒さも知らぬ泉にぞくむとはなしに日ごろ経にける」

[訳]:手を水にぬらしても冷たさを感じるわけではない泉、その和泉という場所で、水をくむわけでもなく数日を過ごしてしまったことよ。


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