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18_80 内陸アジア世界の形成 / 遊牧民とオアシス民の活動

月氏とは わかりやすい世界史用語406

著者名: ピアソラ
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月氏とは

月氏は、中国の史書で初めて記述された遊牧民族で、紀元前3世紀頃にモンゴル高原西部から現在の中国甘粛省西部の乾燥した草原地帯に移り住んでいました。彼らは、紀元前177年に匈奴に大敗を喫した後、大月氏と小月氏の二つの集団に分かれて異なる方向へ移動しました。この移動は、アジアの多くの地域の歴史の流れを数世紀にわたって決定づける一連の流れを形作りました。
大月氏は最初、現在の中国とカザフスタンの国境にあるイリ渓谷に移動し、そこでサカ族の一部を追い出しました。その後、烏孫によってイリ渓谷から追い出され、ソグディアナへ南下し、最終的にバクトリアに定住しました。紀元前1世紀には、バクトリアにいた大月氏の5つの主要な部族のうちの1つ、貴霜が他の部族や周辺の民族を征服し始めました。その結果、3世紀には最盛期を迎えたクシャーナ朝は、北はタリム盆地のトルファンから南はインドのガンジス平原のパータリプトラまで広がりました。クシャーナ朝はシルクロードの貿易の発展と仏教の中国への伝播に重要な役割を果たしました。
一方、小月氏はチベット高原の端へ南下しました。一部は青海の羌族の中に定住し、東漢朝に対する涼州の乱(184-221年)に関与したとされています。また、小月氏の別の集団は、現在のクムルやハミとして知られる都市国家クムダを建設したと言われています。小月氏の4番目の集団は、山西の羯族の一部となり、4世紀に後趙国を建国したとされていますが、これは議論の余地があります。
多くの学者は、月氏がイラン系に属する民族であったと考えています。彼らは仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教、シャーマニズム、ゾロアスター教、マニ教、クシャンの神々など、多様な宗教を信仰していました。
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『世界史B 用語集』 山川出版社

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