はじめに
皆さんは古代エジプトと言えばどのようなイメージを持っていますか。
世界七不思議のピラミッド、ツタンカーメンの黄金のマスク、世界最長のナイル川など、古代エジプトは様々なミステリーを秘め、いまだに世界中の人々の心を引きつけて止みません。
謎の多い古代エジプトですが、その時代、古代でも最も栄えた文明を有していたと言われています。
今回はそんな古代エジプトの成立と発展を見ていきましょう!
エジプト文明の成立
エジプト文明は、
ナイル川のほとりで始まりました。ナイル川は南部の水源地から北の地中海へ流れる世界最長の川です。エチオピア付近での季節的な豪雨によって、毎年7月から11月までの間氾濫し、エジプトを満たしていました。
氾濫はエジプトの地に上流から肥沃な土を運んできたので、エジプトの農地は当時世界でもまれに見る豊かさを誇っていたと言われています。
このエジプト文明繁栄を、のちのギリシアの歴史家ヘロドトスは「エジプトはナイルの賜物」と評しています。
さて、そんな肥沃な土地であれば、次第に人々は農耕民族となり、定住していきますよね。
ナイルのほとりにはいくつもの
ハム語系民族が
ノモスという村落を作って定住を始めました。
ノモスは次第に
下流(北部)の下エジプトと
上流(南部)の上エジプトの二つの王国としてまとまります。
ナイル川は南のエチオピアが上流、北の地中海が下流です!注意しましょう!
そして紀元前3000年頃、上エジプト王
メネス(別名ナルメル)が
ファラオ(神権皇帝)という称号を用いて全土を統一し、古代エジプト王国時代が幕を開けることになります。
この古代エジプト王国はメネスの統一から紀元前4世紀のアレクサンドロス大王による征服まで約30の王朝が続きます。
古代エジプト王国の時代区分は三つに分けられ、それぞれ古王国時代・中王国時代・新王国時代と言われています。