万葉集『梅花の歌三十二首并せて序』
このテキストでは、平成の次の元号である「令和」(2019年5月1日〜)の由来となった万葉集5巻の『 梅花の歌三十二首并せて序』に収録されている和歌を記しています。
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万葉集『梅花の歌三十二首并せて序』の現代語訳とその解説
八一五〜八二九
八一五【大弐紀卿】
正月立ち 春の来たらば かくしこそ 梅を招きつつ 楽しき終へめ
※ 歌の解説
八一六【少弐小野大夫】
梅の花 今咲けるごと 散り過ぎず わが家の園に ありこせぬかも
※ 歌の解説
八一七【少弐粟大夫】
梅の花 咲きたる園の 青柳は かづらにすべく なりにけらずや
※ 歌の解説
八一八【筑前守山上大夫】
春されば まづ咲くやどの 梅の花 ひとり見つつや 春日暮らさむ
※ 歌の解説
八一九【豊後守大伴大夫】
世の中は 恋繁しゑや かくしあらば 梅の花にも ならましものを
※ 歌の解説
八二〇【筑後守葛井大夫】
梅の花 今盛りなり 思ふどち かざしにしてな 今盛りなり
※ 歌の解説
八二一【笠沙弥】
青柳 梅との花を 折りかざし 飲みての後は 散りぬともよし
※ 歌の解説
八二二【大伴旅人】
わが園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の 流れ来るかも
※ 歌の解説
八二三【大監伴氏百代】
梅の花 散らくはいづく しかすがに この城の山に 雪は降りつつ
※ 歌の解説
八二四【少監阿氏奥島】
梅の花 散らまく惜しみ わが園の 竹の林に うぐひす鳴くも
※ 歌の解説
八二五【少監土氏百村】
梅の花 咲きたる園の 青柳を かづらにしつつ 遊び暮らさな
※ 歌の解説
八二六【大典史氏大原】
うちなびく 春の柳と わがやどの 梅の花とを いかにかわかむ
※ 歌の解説
八二七【少典山氏若麻呂】
春されば 木末隠れて うぐひすそ 鳴きて去ぬなる 梅が下枝に
※ 歌の解説
八二八【大判事丹氏麻呂】
人ごとに 折りかざしつつ 遊べども いやめづらしき 梅の花かも
※ 歌の解説
八二九【薬師張氏福子】
梅の花 咲きて散りなば 桜花 継ぎて咲くべく なりにてあらずや
※ 歌の解説
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佐竹明広他「万葉集(二)」2013年 岩波書店 |
阿蘇瑞枝「萬葉集全歌講義③」2007年 笠間書院 |
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