ここに/此に/茲に/爰に
このテキストでは、古文単語「
ここに/此に/茲に/爰に」の意味、解説とその使用例を記している。
「ここに」には、
①副詞
②接続詞
としての用法がある。
①副詞
■意味
このときに、この時点に。
[出典]:高倉院の法華堂の 徒然草
「命を終ふる大事、今ここに来たれりと、確かに知らざればなり。」
[訳]:命の終わるという大事が、今この時点にきているということを、しっかり自覚しないからである。
②接続詞
■意味1
(話題を転換するときに用いて)
さて、そこで。
[出典]:
能登殿最期 平家物語
「...とのたまへども、寄る者一人もなかりけり。
ここに、土佐国の住人、安芸郷を知行しける安芸大領実康が子に...」
[訳]:...とおっしゃるのだが、寄る者は一人もいなかった。
さて、土佐の住人で安芸郷を支配していた安芸大領実康の子で...
■意味2
(話を転換させるために用いて)
それで、それゆえ。