いはけなし/稚けなし
このテキストでは、ク活用の形容詞「
いはけなし/稚けなし」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容詞・ク活用
未然形 | いはけなく | いはけなから |
連用形 | いはけなく | いはけなかり |
終止形 | いはけなし | ◯ |
連体形 | いはけなき | いはけなかる |
已然形 | いはけなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | いはけなかれ |
■意味1
(年齢が)
幼い。
[出典]:桐壷 源氏物語
「いはけなき人を、いかにと思ひやりつつ...」
[訳]:幼い人(光源氏のこと)を、どうしているかとおしはかり案じて...
■意味2
(性格が)
幼稚である、子供っぽい、あどけない。
[出典]:
若葉・北山の垣間見 源氏物語
「面つきいとらうたげにて、眉のわたりうちけぶり、
いはけなくかいやりたる額つき、髪ざし、いみじううつくし。」
[訳]:顔つきがたいそうかわいらしく、眉毛のあたりがほんのりと美しく見え、
あどけなく(髪を)かき上げた額の様子、髪の生え具合が、たいそうかわいらしいです。