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古文単語「こよなし」の意味・解説【形容詞ク活用】

著者名: 走るメロス
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こよなし

このテキストでは、ク活用の形容詞「こよなし」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容詞・ク活用

未然形こよなくこよなから
連用形こよなくこよなかり
終止形こよなし
連体形こよなきこよなかる
已然形こよなけれ
命令形こよなかれ


意味1

この上もない、(差が)激しい

[出典]若紫・北山の垣間見 源氏物語
「面つきふくらかに、まみのほど、髪のうつくしげにそがれたる末も、なかなか長きよりもこよなういまめかしきものかなと、あはれに見給ふ。」

[訳]:顔つきはふっくらとしていて、目元や、きれいに切りそろえられた髪の端も、かえって長いよりもこの上なく現代風であるものだなあと、(光源氏は)しみじみとご覧になります。

※「こよなう」は連用形「こよなく」のウ音便。


意味2

(優れている点で)
はなはだしい、格別である

[出典]:帚木 源氏物語
「人にもてかしづかれて、隠るること多く、自然にそのけはひこよなかるべし。」

[訳]:(身分が高い家に生まれた女性は)人に大切に育てられて、(欠点が)隠れることが多く、自然にその有様も格別に優れている(ように見える)に違いない。




意味3

(劣っている点で)
はなはだしい、格別である

[出典]:賢木 源氏物語
「三位中将なども、世を思ひ沈めるさまこよなし。」

[訳]:三位の中将なども、世の動向について物思いに沈んでいる様子がはなはだしい

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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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