旧月名の由来と月の名前
古典を読むうえで、月の名前を知っていることは大前提です。
旧月は当時の人々の季節の感覚を今に伝えています。
1月は睦月、2月は如月、3月は弥生といったように各月は、それぞれ現在とは違った名前で呼ばれていました。
名前が、
3月生まれなので弥生(やよい)、
5月生まれなので五月(さつき)という人も周りにはいるかもしれません。それは旧月の呼び名の名残です。
旧月名と旧暦
旧月名とは、日本の伝統的な月の名称を指します。これらの月名は古くから使用されており、旧暦(陰暦)に基づいていますので、現代の新暦(太陽暦)とは季節感が異なることがあります。旧月名には、睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走などがあります。各旧月名には由来や意味がありますが、一部は当て字や複数の説が存在します。旧暦は、日本では明治5年(1872年)まで使用されていた太陰太陽暦と呼ばれる暦法です。太陰太陽暦は月の満ち欠けを基準としていますが、季節のずれを修正するために太陽の動きも考慮しています。旧暦では、およそ3年ごとに閏月と呼ばれる月を追加し、年間を13か月に調整していました。一方、新暦は明治6年(1873年)から採用された太陽暦です。太陽暦は地球が太陽の周りを一周する周期を基準としています。新暦では、4年ごとに閏年を設けることで366日に調整しています。新暦の導入理由は、日本の国際的な交流が活発化し、国際基準に合わせる必要が生じたためです。また、財政上の理由や季節感の問題も関与していたと言われています。旧暦と新暦の主な違いは、基準となる天体や調整方法の異なる点にあります。その結果、日付や季節感に差異が生じることがあります。例えば、旧暦では8月は秋であり、葉月(はづき)と呼ばれていましたが、新暦では8月は夏に該当します。また、お盆や七夕などの行事も地域によって旧暦か新暦かで日付が異なることがあります。
ここでは、旧月の名前だけではなく、その由来についても説明したいと思います。
名前の由来は諸説様々なのですが、その一部をご説明します。
きっと人に違いをつけられること間違いなしです。
■1月:睦月(むつき)
1月は、親類や知人が集まり仲睦まじくする月であるから睦月とされています。
■2月:如月(きさらぎ)
2月は、まだ寒さが残っており、衣(きぬ)を更に着る月であるから「衣更着(きさらぎ)」とする説が有力です。
■3月:弥生(やよい)
3月は、弥生の由来は、草木がいよいよ生い茂る月「木草弥や生ひ月(きくさいやおひづき)」が詰まって「やよひ」となったという説が有力です。
3月生まれの弥生さん、聞いたことはありませんか?
■4月:卯月(うづき)
4月は、卯の花が咲く月「卯の花月(うのはなづき)」を略したものというのが定説となっています。一方で、干支の4番目の動物がうさぎであることから卯月とする説もあります。
■5月:五月(さつき)
5月は、田植をする月であることから「早苗月(さなへつき)」と言っていたのが短くなったと言われています。
五月という言葉は今でもよく使われていて、
五月晴れなんて言ったりもしますよね。
■6月:水無月(みなづき)
6月は、文字通り梅雨が明けて水が涸れてなくなる月であると言われています。昨今は梅雨が長引き、異常気象が続いていると7月までジメジメした気候が続いていますが、当時は6月には梅雨が明けていたのかもしれませんね。
■7月:文月(ふみづき)
7月は、7月7日の七夕に詩歌を献じ、書物を夜風にさらす風習があるからという理由で文月になったという説が有力です。手紙が大きな意味をしめていた平安時代でも7月というものは特別な月だったのでしょうね。
■8月:葉月(はづき)
8月は、木の葉が紅葉して落ちる月、すなわち「葉落ち月」「葉月」であるという説が有名です。
■9月:長月(ながつき)
9月は、夜が長くなってくる季節であることからそう呼ばれています。秋の長夜なんていまでも口にしたりしますよね。
■10月:神無月(かんなづき)
10月は、出雲の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため、出雲以外には神様が居なくなる月と言われています。そのために神がいない(無)月なのですね。
■11月:霜月(しもつき)
11月は、霜がおり始める月であることから霜月と呼ばれています。文字のとおりですね。
■12月:師走(しわす)
12月は、年末にかけて師匠が走る、(普段は余裕を持っているお坊さんも走るほど忙しい)ということで師(匠が)走(る)というのが定説です。
月の名前の由来を知っていると、月の名前も覚えやすくなるかもしれませんね。