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枕草子 原文全集「馬は/牛は/猫は/雑色、随身は/小舎人童/牛飼は」

著者名: 古典愛好家
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馬は

馬はいと黒きが、ただいささか白きところなどある。

紫の紋つきたる。葦毛。薄紅梅の毛にて、髪、尾などいと白き。

げに「ゆふがみ」ともいひつべし。黒きがあし四つ白きも、いとをかし。


牛は

牛はひたいは、いとちひさく白みたるが、腹のした、あし、尾の筋などは、やがて白き。


猫は

猫はうへのかぎり黒きて、腹いと白き。


雑色、随身は

雑色、随身はすこしやせて、ほそやかなるぞよき。

男はなほ、わかき程は、さるかたなるぞよき。

いたくこえたるは、ねぶたからむと見ゆ。


小舎人童

小舎人童ちひさくて、髪いとうるはしきが、筋さはらかに、すこし色なるが、声おかしうて、かしこまりて物などいひたるぞ、らうらうじき。


牛飼は

牛飼(うしかひ)はおほきにて髪あららかなるが、顔あかみてかどかどしげなる。

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・枕草子 原文全集「馬は/牛は/猫は/雑色、随身は/小舎人童/牛飼は」

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萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 上」 新潮社
渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館

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