馬は
馬はいと黒きが、ただいささか白きところなどある。
紫の紋つきたる。葦毛。薄紅梅の毛にて、髪、尾などいと白き。
げに「ゆふがみ」ともいひつべし。黒きがあし四つ白きも、いとをかし。
牛は
牛はひたいは、いとちひさく白みたるが、腹のした、あし、尾の筋などは、やがて白き。
猫は
猫はうへのかぎり黒きて、腹いと白き。
雑色、随身は
雑色、随身はすこしやせて、ほそやかなるぞよき。
男はなほ、わかき程は、さるかたなるぞよき。
いたくこえたるは、ねぶたからむと見ゆ。
小舎人童
小舎人童ちひさくて、髪いとうるはしきが、筋さはらかに、すこし色なるが、声おかしうて、かしこまりて物などいひたるぞ、らうらうじき。
牛飼は
牛飼(うしかひ)はおほきにて髪あららかなるが、顔あかみてかどかどしげなる。